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初めはフレンチレストランのキッチンで5カ月ほど働いた。料理は得意で、仕事を覚えるのは早かった。

ビジネスにも強い関心があったため、在日ロシア大使館で、日本の化粧品などをロシアのマーケットに輸出する仕事の手伝いもした。国内の工場に足を運んだり、6時間の時差があるロシアと日本の間のコミュニケーションをしたり、OLのような日々を送ったこともあった。

「心から生きている」と感じられる仕事と出会う


いろいろな仕事を試して「幸せ」を感じたが、最終的に辿り着いたのはやはりファッションの世界。だが、デザイナーではなくモデルの仕事だった。

撮影では、毎回違うディレクターに違うことを求められ、自分で表現をする。そのプロセスが楽しく、のめり込んでいった。

「私にとって 『生きてる!』って感覚は成長すること。撮影は毎回異なる要望に対して、その期待に応えていくという意味で、心から生きていると感じましたね」

専門学校を中退し、夢が断たれたように見えた。しかしこの転機こそ、モデルとしての道を切り拓くきっかけになったのだ。

「憧れのハリウッドに一番早くたどり着く方法が、デザイナーだと思っていました。でも本当は、女優になりたいと言うのが恥ずかしかったから、認めたくなかったのかも。大きな夢ってバカバカしいと思われるし、周りの目も気にしていた。学校をやめてからは本当に辛かったけど、やめるきっかけがあって、今は心からありがとうと思っています」 

vivi
専門学校を中退後は苦しかったが、「実は自分自身がハリウッドに行きたい」と本当の夢に気づいた

2017年に本格的に芸能活動を開始し、2019年に人気リアリティショー「テラスハウス」に起用される。順風満帆に、モデルとしてのキャリアを歩み始めたかのように見えた。

そんな中、再び大きな壁が立ちはだかった。

今年5月「テラスハウス」で共演していたプロレスラーの木村花さんが自死し、世間に衝撃を与えた。そして番組は打ち切りになった。Viviさんも木村さんとは仲が良く、心の傷はなかなか癒えなかった。

人生のどん底 厳しい精神状態を乗り越えた


彼女のモットーに「信頼関係から全てが始まる」というものがある。しかし木村花さんの訃報を巡って一部のメディアで捏造された情報が出され、ますます辛くなった。

人を疑うようになり始めた自分に気づいたとき、強く自己嫌悪を感じた。同時期に、ロシアで暮らす親ががんであることが発覚した。

Viviさんの精神状態はぎりぎりだった。「あまりに悲しかった。一気にヤバイ状況になるのではなく、2週間くらいかけて少しずつ悪くなっていきました」

最初は引きこもるようになり、次第に動けなくなった。飲酒やタバコなどの習慣がない代わりに、過食症に陥ったという。無心に食べてしまい、吐くことを繰り返すように。睡眠障害やパニック発作まで発展し、プロによる心のケアが必要だった。

文=初見真菜 編集=督あかり 写真=Christian Tartarello

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