連邦通信委員会(FCC)は、政府が脅威に指定した中国製の通信機器を国内から一掃するという野心的プランを描いている。米国内でファーウェイやZTEの機器を使用中の通信企業らは、FCCが発行した新しい規則に従って、それらの機器を交換する必要がある。
トランプ大統領は3月に「安全で信頼できる通信ネットワーク法(Secure and Trusted Communications Networks Act)」に署名したが、交換プログラムには10億ドルの予算しか用意されていなかった。今回の19億ドルは、FCCの要求に沿ったものとなっている。
ロイターが関係筋の話として12月21日に報じたところによると、今回の19億ドルは、全米のブロードバンド通信を改善するための補助金70億ドルの一部として用意されたという。
FCCは6月に、ファーウェイとZTEを公式に国家のセキュリティ上の脅威に指定し、この2社が中国の政府や軍と密接なつながりを持つと非難していた。この指定を受けて、米国の通信企業はFCCからの支援金で、2社から機材を購入することを禁止されていた。
その後、9月に実施した調査でFCCは、通信企業らが禁止対象の機器を交換するためには、約18億ドルが必要になると見積もっていた。
今回の70億ドルのブロードバンド補助金には、低所得家庭のブロードバンド利用を支援するための予算32億ドルが含まれている。対象となる世帯は、毎月のブロードバンド通信費を最大50ドルまでに抑えられる。
この支援策を提案した民主党選出のオレゴン州のRon Wyden議員は「失業中の人々が、職探しを行う上でブロードバンドは非常に重要だ。ヘルスケアや学校のサービスにアクセスする上でも欠かせない」と述べている。
さらに、先住民コミュニティと地域コミュニティのブロードバンド支援に、それぞれ10億ドルと3億ドルが用意されるほか、伝統的黒人大学(HBCU)の通信環境の整備に2億8500万ドルが割り当てられている。