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毎年クリスマスイブになると、世界中の子どもたちがコンピューターやタブレット、スマートフォンを使い、世界で最も偉大な“旅人”による世界一周の旅を追う。

北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は今年もクリスマスイブの夜、大人気のサンタ追跡プロジェクト「NORADトラックス・サンタ」をウェブサイトとアプリで実施する。目が鋭い子どもは今年、サンタが新型コロナウイルスの流行が続く地球を回る際にマスクを着用していることに気づくかもしれない。

また今年、サンタは国際宇宙ステーション(ISS)の連続有人滞在20年を記念し、ISSの付近を通過する予定だ。公式3Dサンタ追跡アプリでは、ズームアウトすることで、現在のISSの正確な位置をリアルタイムで確認できる。

NORADトラックス・サンタはNORADが提供する無料サービス。NORADは米国とカナダの防衛組織として、航空機やミサイル、宇宙船による攻撃の検知など、北米に対する航空宇宙関連の警告を発する責務を担っている。

冷戦時代に設立された軍事防衛組織であるNORADが、世界で最も人気のサンタ追跡ツールを開発することになった経緯は、意外で非常に心温まるものだ。

始まりは1955年、コロラド州コロラドスプリングスの新聞に小売大手シアーズ・ローバックが掲載した広告の誤植だった。広告には、サンタから子どもたちに向けたメッセージとして、「私に直接電話しよう。番号を間違えないように気をつけて」と書かれている。

しかし奇しくも、広告には間違った番号が記載されていた。番号はシアーズのサンタのものではなく、NORADの前身組織である大陸防空司令部(CONAD)指令部が秘密裏に開設していた非常警報ホットラインだった。

この年のクリスマスイブに勤務していた司令官のハリー・シャウプ空軍大佐は、すぐにとんでもないミスがあったことに気づいた。シャウプ大佐は電話をかけてきた子どもたち全員に対し、サンタの旅の安全を保証。この話はメディアに取り上げられて広まり、シャウプはサンタが最後にどこで目撃されたかについての最新情報を電話で提供するようになった。

この偶然の出来事から、サンタの旅を追跡するアイデアが生まれた。NORADトラックス・サンタのウェブサイトは現在、毎年200の国・地域から約1500万人のユニークビジターを集めている。ボランティアが対応するサンタのホットラインには、13万人以上の子どもたちから電話がかかってくる。また、フェイスブックやツイッター、ユーチューブ、インスタグラムでサンタを追跡することも可能だ。

編集=遠藤宗生

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