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ブラジルのボルソナーロ大統領(Photo by Luis Alvarenga/Getty Images)

ブラジルの2020年は、ひどい1年だった。

そうでないと言うのなら、その根拠を教えてほしい。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、ブラジル経済は停滞している。本来なら財政保守的なブラジル政府は、企業や個人の支払い能力を維持するために、景気刺激策と経済支援パッケージに多額の支出をせざるを得なくなっている。金融界の見方によれば、パンデミックが(希望的観測では2021年の早い時期に)終息したら、ブラジル中央銀行(BCB)は真っ先に金利の引き上げを行うとされている。

そうなれば、世界の「債券王」たちは大騒ぎになるだろう。ブラジルは世界屈指のソブリン債市場だったが、2%という歴史的な低利回りにより、もはや誰も欲しがらなくなっている。そのため、ブラジルの通貨レアルは史上最安水準となっており、1ドルあたり5レアル前後で取引されている。ブラジル中央銀行が金利を引き上げれば、ブラジルの債券市場に資金が流れ込み、レアルはほとんど一夜にして、1ドルあたり4レアルになると見られる。

これは、ブラジルの株にとっては好材料だ。MSCIエマージング・マーケット指数に照らして見ると、ブラジル株は2020年のこれまでのところ、まったく期待外れの状況になっている。

改革政策はまだこれから


ブラジル議会上院は12月、2021年の財政支出削減を狙いとする法案を提出した。採決は2月までおこなわれない見込みだ。削減案の一部は成長を抑制するものであるため、投資家は減税に関する動きに注目することになるだろう。

それと同時に、議会はいくつかの重要なマイクロ改革案を可決した。とりあえず、それがビジネス環境の向上に役立つはずだと、TSロンバードのブラジル関連のベテランアナリスト、エリザベス・ジョンソン(Elizabeth Johnson)は指摘している。

市場に有利ないくつかの重要な予算指令が2020年中に可決される予定だが、2021年の予算については2月までゴーサインが出ない、とジョンソンは12月11日付けのリポートのなかで述べている。「下院と上院の議長職をめぐる争いの結果が、2021年の改革政策を左右することになるだろう」とジョンソンは書いている。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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