ビジネス

2020.12.25

ドリームワークスのクリエイターがスタートアップを応援する理由

(左から)三木アリッサ、キム・ズ、西村真里子(筆者)


アリッサ:それまで見向きもされなかった場所でも、「ドリームワークスのキャンパスで販売・出店した」という一言を添えるだけで、目つきが変わり応援してくれたり商談を進めてくれたりするようになりました。


三木アリッサ氏

スタートアップには資金やチームも必要ですが、挑戦の機会を与えてくれるキムさんのような存在は非常に大きいです。そして、スタートアップの挑戦をクリエイターの挑戦として応援してくれることも、日本では得難い経験でした。

──キムさんの言葉と態度には、新しい挑戦をする人々を応援する土壌を作るために必要なエッセンスが詰まっていますね。

キム:「成功」って言葉はただの言葉で。どのようにたどり着けるのか? たどり着くものなのかは誰もわかってない。どんなにすごい才能を持っていても、挑戦する機会を与えてくれる人に出会わない限りはゴールにはたどり着けないというのは、僕自身の経験から感じることです。

僕が出会った時のアリッサは、努力し、ユニークな商品を生み出し、クリエイターとしては良い商品を生み出していたのですが、でも、一つ足りてなかったパズルのピースがありました。それは、彼女の取り組み・商品に「光」を当てる「次のステージに挑戦する機会」です。僕は自分の経験上、アリッサにライトを当てるだけで自ら輝き出すのを感じていたので、ファーマーズマーケットという機会を提供したのです。


キム・ズの発言と態度にサン=テグジュペリの「精神の風」を感じる。一人でも多くのモーツァルトを救うべく、利害関係ではなく、人のクリエイティビティ、可能性を信じ行動できるキム・ズのような人間でありたい、と強く思う。

一人ひとりが挑戦をし、また挑戦をする人への機会を提供することを繰り返していけば、この世の中にはなんと豊かなモーツァルトの奏でる曲に満ち溢れることであろうか。

連載:ポリネーターが見る世界の景色
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文=西村真里子

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