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ポリネーターが見る世界の景色

(左から)三木アリッサ、キム・ズ、西村真里子(筆者)

自分のジョブ・ディスクリプションにない行動をすると戸惑う人がいる。

「私は◯◯部門なので、隣部署の仕事にまで踏み込んでいいのだろうか?」「この仕事は◯◯さんの担当だから、自分が口出ししない方がいいのではないか」──躊躇の心が芽生え、その心が行動を制御する。自ら可能性を紡いで枯れていく。

私の好きな書として『星の王子様』著者、サン=テグジュペリの『人間の土地(堀口大学訳)』という本があるのだが、その書のなかで「虐殺されたモーツァルト」という表現が出てくる。人間誰しもが生まれた時にはモーツァルトの如く可能性を持っているのだが、多くの人間が自分の可能性を押し殺し凡庸な成人になってしまう。また、親を含めて周りの人間が生まれ持ったモーツァルトの可能性を見つけ・育てることなく凡庸な成人を生み出すプロセスを続けるという意味だ。

しかし、サン=テグジュペリは凡庸に溢れる世の中を嘆くとともに、私の心に希望を灯す文章を残している。「精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、はじめて人間は創られる」と。

精神の風をおおいに吹きあらし、人間として可能性を思う存分に発揮できる人間・環境が必要だ。閉塞感を感じる社会には新鮮な精神の風が必要だ。

単身渡米し、和菓子スタートアップを創業


ここで精神の風を感じる一つの素敵なストーリーをご紹介する。登場人物は二人いる。

一人は、単身で米国に渡り、D2C和菓子スタートアップを始めたMISAKY.TOKYOの三木アリッサ。もう一人は『シュレック』や『マイノリティ・リポート』などを手がける、ハリウッドの大手映画会社「ドリームワークス(創設者、スティーヴン・スピルバーグ他)」で働くキム・ズ(Kim Zhu)だ。

サン=テグジュペリのシナリオに沿うと、三木が少年モーツァルトとして自分の可能性を信じ最大限に挑戦するものであり、キムが「精神の風」を三木に吹かせ、人間として最大限に挑戦できる「可能性」を提供する存在である。

私が三木に出会ったのは2年前。彼女がとあるスタートアップの米国支社立ち上げを行っていた頃だ。エネルギーの波長があうおもしろい存在だなと感じていたのだが、気づけば渡米し、MISAKY.TOKYOを立ち上げファンを拡大している。

作っている和菓子は「Crystal Treats(クリスタル・トリーツ)」という。寒天をベースにした日本の和菓子、琥珀糖を現在のアメリカに住む方々が好むようにデザインしなおした商品だ。世界的に有名なセレブリティであるキム・カーダシアンが自身のKKWフレグランス新商品発表の際にロイヤルカスタマー向けPRボックスをMISAKY.TOKYOに依頼し、その様子を1.9億人のインスタグラムフォロワー向けに紹介もしたほどだ。

文=西村真里子

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