バイデン就任式へのトランプの出席、「優先事項ではない」と関係者

Photo by Al Drago/Getty Images

ジョー・バイデン次期米大統領がホワイトハウス報道官に指名しているジェン・サキは12月20日、米Foxニュースの番組に出演。ドナルド・トランプ大統領は来年1月20日に行われるバイデン次期大統領の就任式に出席する見通しかとの質問に対し、「元大統領の出欠は最重要事項ではない」との見方を示した。

トランプは依然として、11月に行われた大統領選の結果を受け入れず、敗北宣言を行うことを拒否し続けている。さらに、ツイッターでは相変わらず、大統領選では不正があったという根拠のない主張を続けている。

「フォックス・ニュース・サンデー」に出演したサキは、司会のクリス・ウォレスに対し、バイデン次期大統領が最優先で対応すべきことのリストのなかで、トランプが就任式に出席するかどうかは順位の低い問題だと発言。次のように語った。

「次期大統領の最優先事項のリストでは、トップ10に入っていない。それより長いリストにしても、入らないだろう」

また、米紙ワシントン・ポストによれば、就任式に向けた準備を主導しているバイデン陣営の上級顧問、マジュ・バーギースは、式典でトランプに果たしてもらいたい役割はないと述べている。「元大統領が就任式の計画にかかわってくれるのであれば、対応したい」という。

ホワイトハウスに居座る?


トランプは次期大統領の就任式に出席するつもりがあるかどうか、いまだ意向を明らかにしていない。12月13日にはFoxニュースのインタビューでこの件について尋ねられ、「話したくない」と答えている。

また、CNNの報道によれば、トランプは自身の側近らに対し、就任日にもホワイトハウスを離れることを拒否する可能性があると語ったという。ただし、トランプが実際にそのような行動に出ると考えている者は、側近の中にはほとんどいないとみられている。

バイデンの就任式を欠席すれば、トランプは米国の大統領就任式の慣例に従わない数少ない元大統領のひとりとなる。後任の大統領の就任式に姿を現さなかったのは、ジョン・アダムス(1801年)、ジョン・クィンシー・アダムズ(1829年)、アンドリュー・ジョンソン(1869年)のわずか3人だ。

米ニュースサイト、デイリービーストによれば、トランプは就任式の当日に2024年の大統領選に向けたキャンペーンを開始。集会を開くことを検討しているという。

司法長官には誰を指名?


一方、サキは同日のインタビューで、バイデン次期大統領が誰を司法長官に指名するかについて、「まだ決定していない」とコメントした。バイデンの次男ハンターは9日、「税務問題」で調査を受けていることを自ら明らかにしているが、バイデン次期大統領がこの調査について、司法長官への指名を検討する候補者と話し合うことはないという。

次期大統領はハンターについて、「息子は何も間違ったことはしていないと“確信している”」と述べている。

編集=木内涼子

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