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2021.01.02 10:00

答えは自然界にある 「廃棄物ゼロ」の世界を実現させる、4つの教訓

モデルは自然界にある(Photo by Unsplash)

モデルは自然界にある(Photo by Unsplash)

注目が集まるサーキュラー・エコノミーのモデルは、自然界に見出すことができます。世界経済フォーラムのアジェンダからご紹介します。


・サーキュラー・エコノミーは、廃棄物が発生しない世界を築いていく仕組みです。
・循環型ビジネスモデルは、今後10年間で4兆5000億ドルのビジネスチャンスを生み出します。
・自然界は、サーキュラー・エコノミーを実現するための、重要な教訓を与えてくれます。

サーキュラー・エコノミーは、ビジネスリーダー、投資家、活動家、エコノミスト、環境問題の専門家にとって、数少ないディスラプティブな概念のひとつで、普遍的な魅力を持っています。環境再生型農業や物々交換から、修理と再利用、再生可能エネルギー、植物由来の代替肉に至るまで、サーキュラリティ(循環性)という概念は脚光を浴びていますが、何世紀にもわたって存在してきたものです。

経済成長と希少な天然資源の利用をデカップリング(切り離すこと)させることで、地球を枯渇させることなく消費することができる、サーキュラー・エコノミーが地球にもたらす利益は、これまでになく明確になっています。今後10年間で生み出されるビジネスチャンスは莫大で、4兆5000億ドル。

そして、経済成長と社会的進歩を再びカップリング(連係)させることで、新たな仕事、製品、サービスの利用、健康の改善という形で、社会に利益がもたらされるようになります。

新しいモデルが必要な理由


第一次産業革命以来、経済成長と天然資源の利用の間には一対一の関係がありました。しかし、今日で、私たちは、地球が再生できいる天然資源の約2倍の量を消費しています。

2030年までに、世界人口が85億人に達すると推定すると、世界の需要は、食料が35%、水は40%、エネルギーにいたっては50%増加すると見込まれています。なぜ、これが問題となっているのでしょうか。制約のない消費と生産は、大気や土壌の汚染、海洋生態系の破壊、異常気象、食料不足、エネルギー不足など、深刻な影響が現れます。

サーキュラー・エコノミーには、経済成長、消費、天然資源の利用という三者の間に存在する有害な関係に終止符を打ち、これらの関係を改善させることができる説得力のある方法を提示しています。サーキュラー・エコノミーのビジネスモデルは、廃棄物が発生しない世界を想定しています。

バリューチェーン全体で廃棄物の発生源(無駄な資源、容量、ライフサイクル、エンベディッドバリューなど)を排除することで、環境に有害な行動様式を断ち、数兆ドルもの経済価値を実現し、健全な商品とサービスの利用を促進することができます。

サーキュラー・エコノミーは説得力のある仕組みですが、今日の世界経済のサーキュラリティは8.6%にとどまっています。このサイクルを断ち切る必要と価値があるにもかかわらず、希少なバージン資源への世界的な需要は増加し続けています。ポストコロナの世界を再構築するにあたって、リニア型から循環型への移行を加速させるにはどうすればよいのでしょうか。
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文=Jessica Long, Founder and CEO, Next Now Strategies

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