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MERYから見たU25女の子の 「今」


しかし、そうしたエッセイ本であれば、日本のものでも良いはずです。なぜ、韓国の本でなければならないのでしょうか。それにはこんな回答が。

●「表紙のデザインがおしゃれでインスタ映えする。人にもおすすめしやすい」(社会人Rさん)
●「本がおしゃれな装丁で、人に隠すことなく読める」(社会人Eさん)

他人と比較することに疲れた……頑張り続ける人生に疲れた……こういった悩みは、なかなか人には打ち明けにくいもの。本屋さんなどで、自己啓発本などを探していたり、電車などで読んでいるのを人に見られると、「あの人大丈夫かな?」「何か深刻な悩みがあるのかな?」などと、周りから心配されそうで、なんとなく隠したくなる方も多いのではないでしょうか。ましてや、SNSで発信したり、人にすすめるといったことはしないはずです。

しかし、韓国のエッセイ本は、イラストが可愛らしく、表紙にも優しいパステルカラーなどが使われていて、見た目がとにかくおしゃれ。深刻な感じではなく、手に取りやすい印象です。SNSでは、内容について紹介する投稿もさることながら、インテリアの一部、自分を彩る一部として紹介されているのです。

そういったSNSでの投稿を見て、おしゃれだと思い買ってみたら、実は心に響いたというパターンもあるのではないでしょうか。その人がまたSNSで投稿し、それを見たまた別の人が読んでSNSに投稿する……。このようにして、人気が加速していると考えられます。

また、情報網が発達したことで、「#MeeToo運動」をはじめとするジェンダーギャップの問題や、働き方改革など、若い世代でも社会的な問題に目が向くようになっていることも影響しているかもしれません。

韓国でベストセラー化し、日本でも映画が公開され大きな反響を呼んでいる小説『82年生まれ、キム・ジヨン』が、その例といえそうです。

82年生まれ、キム・ヨジュンの表紙

会社に入ったら女性社員は結婚・出産で辞めていくからと大きな仕事を任されない、出産を機に仕事を辞めざるを得ない、育児が落ち着いたので再就職したいと思ってもできない……本書で描かれているのは、そういった、女性が社会生活を送るうえで経験するであろう困難の数々。

本書に登場する女性たちのような体験を実際にしたことがある、もしくは、これからの人生で経験するかもしれない……MERY世代の女子たちはそんな辛さや不安を感じていて、誰かに打ち明けたいけれど、なかなかいいにくい。だからこそ、自分の想いを代弁してくれるような韓国エッセイ本を手に取り、その本の内容を引用しながら、自分の気持ちをSNSなどで発信しているのかもしれません。

こういった本に癒しを求め、そしてそれらが流行っているということは、「競争社会において他人と比較することに疲れている」、「社会が抱えている課題に不安を感じている」というMERY世代女子からのメッセージとも受け取れます。多様な生き方、頑張らなくてもいい生き方を肯定されることを若者たちは望んでいる。そういった若者たちの想いを、大人たちは真摯に受け止める必要があるのかもしれません。

文=MERY Lab

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