ビジネス

2020.12.21

データウェアハウス分野で急伸のイスラエル企業「Firebolt」の強み

Getty Images


競合のSnowflakeは、他の多くのSaaS企業と異なり、従量制の料金体系を採用している。しかし、この方式では、大量のデータを分析するのに長時間を要した場合にコストが高くなってしまう。これに対し、Fireboltはサブスクリプション費用を固定にしている。

「当社のサービスなら、コストを大幅に削減できる。しかし、Snowflakeの既存ユーザーで同社向け予算を削減しようと考える企業はほとんどなく、当社は必ずしもSnowflakeの代替サービスと考えられていない」とFarkashは話す。このため、Fireboltは、テラバイト規模のデータを高速分析し、製品化に要する時間を短縮したい企業を主なターゲットにしているという。

最近では、データ資産をクラウドに移行する企業が急激に増えている。ガートナーは、2023年までにデータベース市場の売上の50%をクラウドデータベースが占めるようになると予測している。別の調査会社は、データベース市場の規模が、2023年に1040億ドルに達すると予測している。

また、IDCによると、今年世界で生成・取得・複製・消費されるデータ量は、59ゼタバイト(590億テラバイト)を超える見込みだという。「新型コロナウイルスのパンデミックで在宅勤務者が増えたことにより、ビデオ会議などリッチなデータの割合が増えたほか、外出自粛でダウンロードやストリーミングによる動画の消費量が増えたことがデータ量の増加に影響した」と同社は述べている。

これまで、企業がデータ分析をする目的は、知見を得たり、事業をより深く理解することだった。しかし、Farkashによると、今では多くの企業がデータに基づいて事業運営を行うようになり、データ量やクラウド移行が急激に増加しているのだという。Fireboltは、こうした環境の変化をうまく捉え、成長を加速させている。

編集=上田裕資

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