同意なしの性交渉は「全てレイプ」、デンマークで新法成立

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デンマークの国会は12月17日、暴力の有無に関わらず同意なしのセックスを「レイプ」として犯罪化する法律を承認した。同国の法務大臣のNick Haekkerupは「デンマークのジェンダーの公平性にとって記念すべき日が訪れた」と述べた。

この法律が1月1日から施行されると、同意のないセックスは全て罰則の適用対象となる。現状では同意のない性交渉を罰する場合、検事らは被害者が、肉体的な暴力もしくは脅迫によって抵抗できない状況にあったことを示す証拠を提出しなければならない。

「今回の法制化は、レイプ被害者や人権団体の長年の努力の成果だ」と、アムネステイで女性の権利を担当するAna Blusは声明で述べた。デンマークにおいてレイプ犯罪は過小報告されており、起訴や有罪判決の件数も少数にとどまっている。

法務省によるとデンマークでは毎年約1万1400人の女性たちが、レイプ行為の被害者になっているというが、昨年、警察に報告されたレイプ事件の件数はわずか1000件程度で、有罪判決も79件にとどまっていた。

アムネステイによると、デンマークは欧州経済領域(EEA)において、12番目に同意なきセックスを犯罪化した国だという。英国やアイルランド、ドイツ、スウェーデンなどは既に同じ制度を導入した。

スウェーデンは2018年に法改正を行い、レイブ事件での有罪判決の件数は2017年の190件から、2019年には333件に増加した。

米国の司法省は2012年に、同意の有無をレイプの定義に盛り込み、その後はさらに、男性だけでなくあらゆる性別の人々が、レイプの被害者や加害者になり得ると定義した。それ以前は、1927年に制定された法律で、レイプ被害者になり得るのは女性のみとされていた。

編集=上田裕資

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