『家庭どうぶつ白書』は、アニコムが2010年から毎年公開している、世界最大規模のペット統計データ集だ。アニコム損害保険のペット保険の保険金請求データや、独自のアンケート調査の結果をまとめたもので、Webサイトから誰でも無料で閲覧・ダウンロードできる。
最新の『家庭どうぶつ白書2020』の発行にともない、本書に掲載された内容の一部を紹介する。
※データは、2018年4月1日から2019年3月31日までの間にアニコム損害保険の「どうぶつ健保」の契約を開始した犬590383頭(全年齢、性別不明含む/契約の解除・取消を除く)を対象としている。
4月&9月生まれは病気になりにくい!? 誕生月ごとになりやすい病気も
人では生まれた月によって「病気のなりやすさ」や「かかりやすい病気」が違うということが、アメリカ・コロンビア大学の研究でわかっている。例えば『最も病気になりにくいのは5月生まれ』『1月生まれは高血圧になりやすい』などが挙げられる(*1)。
こうした誕生月による傾向がペットの犬でも見られるのかどうかを、オッズ比(*2)を用いて調べたところ、『4月&9月生まれの犬は、他の月生まれの犬と比べて病気になりにくい(保険金請求が少ない)』ということがわかった。一方で、『病気になりやすい(保険金請求が多い)のは2月&3月生まれの犬』という結果になった。
(*1)Mary R. B., Zachary S., David M., et al.: Birth month affects lifetime disease risk: a phenome-wide method, Journal of the American Medical Informatics Association, Vol22, Issue5, Sep. 2015, 1042–1053.
(*2)オッズ比:特定の対象群と他の群の2群について、ある病気のなりやすさを比較するための指標。オッズ比(グラフ中の点)が1より大きい場合、対象群が他の群に比べて、その病気になりやすいことを示す。95%信頼区間(グラフ中のバー)が1より大きい(かつ1をまたがない)場合はその病気に有意になりやすく、1より小さい(かつ1をまたがない)場合は有意になりにくいことを示す。
さらに、誕生月ごとになりやすい病気・なりにくい病気があるのかを調査したところ、それぞれの月で異なる傾向がみられることがわかった。例えば12月生まれの犬の場合、他の月生まれの犬と比べて、血液疾患(貧血や血小板減少症など)、泌尿器疾患(膀胱炎や腎不全など)になりやすく、肝胆膵疾患(肝炎や膵炎など)、歯・口腔疾患(歯周病や口内炎など)にはなりにくいということがわかった。
※誕生月ごとの詳細は、『家庭どうぶつ白書2020』に掲載。