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2020.12.20

アンダーアーマーの「カリーブランド」は、ジョーダンに迫れるか

ステフィン・カリー(Photo by Jun Sato/WireImage)

アンダーアーマーと、NBAスター選手のステフィン・カリーがコラボレートした「カリーブランド」は、ナイキの「ジョーダンブランド」に対抗しようとしている。

カリーが株式を取得した最近の契約延長により、カリーブランドは、スポーツとカルチャーの定番になる可能性がある。アンダーアーマーの今年9月30日までの1年間の売上は45億1000万ドルだったが、ナイキのジョーダンブランドの年間売上は30億ドルを超える。アンダーアーマーが若い消費者の関心と金を失っているなか、カリーブランドはアンダーアーマーにおいて、ナイキにおけるジョーダンブランドのような貢献を果たせるだろうか?

知っておくべきポイント


ニュースサイト「カルチャーバンクス」によれば、アンダーアーマーは、ターゲットとしてきわめて重要なZ世代やミレニアル世代の消費者グループのあいだで支持を失っているという。投資銀行パイパー・サンドラーの調査によると、アンダーアーマーは、ティーンエイジャーの男性が過去1年で「身につけなくなった」ブランドの一番手だった。それに対してナイキは、10年にわたってティーンのあいだで人気アパレルブランド首位の座を守っていると、同調査は伝えている。

カリー本人でさえ、アンダーアーマーの長期的な存続能力に不安を抱いているように見える。2年前、「カリー3」シューズの売上を懸念したカリーに対し、アンダーアーマーは、カリー独自のサブブランドの設立を約束したと報じられた。

カリーブランドは、国外での飛躍が期待されている。というのも、アンダーアーマーの最新決算発表では、北米での売上は5%減少していたが、世界での売上は18%増加したからだ。

バスケットシューズ市場の競争


ジョーダンブランドは、スポーツアパレル・フットウェア業界で圧倒的な地位を築いている。これは、ラッセル・ウェストブルック、ジェイソン・テイタム、クリス・ポールといった有名アスリートたちのおかげだ。また、バスケットボール界の天才ザイオン・ウィリアムソンと交わした7年間に及ぶ7500万ドル規模のスニーカー契約の影響については言うまでもない。

マイケル・ジョーダンが2003年以降はプロとしてプレイしていないにもかかわらず、ジョーダンブランドはいまだレトロ・バスケットシューズ市場を支配しており、2017年の市場シェアは65%だった。また、市場調査会社NPDグループによれば、ジョーダンの取り分は1億ドル前後になるという。

その点を踏まえると、カリーとアンダーアーマーがカリーブランドを成功に導くことができれば、カリーがNBAから引退したずっと後まで、この新ブランドは双方にきわめて大きな利益をもたらす可能性がある。

今後の展開


カリーブランドは、年間売上の一定割合を、「リソースが不足している」コミュニティに投資することになっている。また、ランニングシューズやウィメンズなどのカテゴリー拡大も予定している。カリーブランドの高性能バスケットボールシューズとゴルフシューズは12月11日に発売された。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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