アートはロックダウンしない SHUN SUDOが記録した『2020』

アーティスト SHUN SUDO


Black Lives Matterと人種差別


彼が「2020でどうしても描きたかった」と話すのが、Black Lives Matterをテーマにした次の2つの作品だ。アメリカの友人とディベートした時の自身の体験をヒントに制作されたという。
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これは「Queensberry rules」と名付けられた作品。ボクシンググローブのようにも、コメントのようにも見える。Queensberry rulesというのは、ボクシングにグローブ着用を義務付けたルールだ。意見はぶつけるが、グローブを忘れるな、ということだろうか。

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その横にあるのが、壁からまるで浮かび上がるようなソフトクリームの作品だ。白と黒が混ざっている。そしてコーンの黄色。ソフトクリームは溶けて融合するかのようにも見えるし、それぞれの色の対比はむしろくっきりとしたようにも見える。
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「日本人にとっては、Black Lives Matterは少し遠い話かもしれない。この作品を見てどう感じるかは自由。ただ、何かを考えるきっかけになってくれれば。難しい問題だけど暗いだけの気持ちでだけでなく、明るい気持ちになってほしい」

2020年は誰もが心痛める日々を送ったけれど、そんな2020年を救ってきたのもまた、人々のLOVEだったのかもしれない。この作品タイトルの「&?」は、SHUN SUDOからの「2021年へ愛と何を持っていく?」というメッセージだ。

「このLOVEは傷ついたように見えるかもしれないけど、それでも上へ上へと登っていくパワーを込めた」

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やっと2020年を終わらせることができる、という安堵と開放


SHUN SUDO個展「2020」で、この1年に起きた変化を振り返ってみた。もちろん、世界を揺るがした多くの問題はまだ解決していない。しかし、自分自身の中で2020年を棚卸ししないと、2021年へ進めないのではないか。

SHUN SUDOは、2021年は日本の各地へ制作の拠点を移し、地域の魅力に触れながら制作活動を行っていく予定だ。

これからも、SHUN SUDOがいうように、「アートはロックダウンしない」。2021年をどんな1年にするのか。心の中で何色の花を咲かせるのか。決めるのは自分だ。

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会場には「ミューラル(壁画)」も。描いた絵を消した上に新しい絵が描かれる。この絵も個展が終われば消してしまう


SHUN SUDO個展「2020」
会期:2020年12月10日(木)~27日(日)
会場:ANB Tokyo 3F、 6F
住所:港区六本木5-2-4

文=鶴岡優子 写真=大本賢児(人物)、西谷圭介(作品) 編集=松崎美和子

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