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エクソンモービルの製油所(Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)

環境保護主義者のアクティビスト(物言う株主)が、“難敵”の米エクソンモービルに勝利を収めたようだ。今後、テック大手などでも、政治活動家が投資を通じて企業に圧力をかけて行動を変えさせる動きが広がる契機になるかもしれない。

エクソンは長年、ほかの石油メジャーと一線を画す戦略をとってきた。他社が石油ガス探査の予算を削ったのに対して、エクソンはそれを維持してきた。他社が石油ガス生産から脱却と「グリーン(環境に優しい)」技術への移行に言及する一方で、エクソンはその両方に取り組む方針を示した。

だが、アクティビストらの圧力を受けて、ここへきてエクソンも環境保護に配慮した措置を講じることになった。

エクソンはこのほど、自社の石油ガス生産による温室効果ガス排出の「強さ」を和らげるべく、2025年までにその量を15〜20%削減すると発表した。採掘場所で余分なガスを燃やす慣行の廃止など、さまざまな対策をとるとしている。

エクソンは環境保護主義の投資会社エンジン・ナンバーワンや、資産運用大手ブラックロックを含むほかの大株主から圧力を受けており、今回の決定はそれに対応したものだ。

投資家側が今回エクソンに用いた戦略は、「実績のある戦略」として今後繰り返されることになるかもしれない。エクソンの現在の時価総額がおよそ1860億ドル(約19兆2000億円)なのに対して、たとえば米ツイッターは約343億ドルだから、圧力はもっとかけやすいだろう。

ツイッターによる一部のニュースや主張の規制に不満を持つ保守派が、アクティビストファンドや同じ考えの個人などと組み、ネットでの言論の自由を求めて圧力をかけるといった事態もあり得なくはないだろう。

ただ、同様の投稿制限のある米フェイスブックは、時価総額が7860億ドルと巨大なうえ、創業者のマーク・ザッカーバーグがかなり大きな支配権を握っているとされることから、同じやり方は通用しないかもしれない。

他方、労働者の権利や人権の擁護に取り組む人や団体は、エクソンに対して行われたのと同様の方法で圧力をかけることができそうだ。

アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員らのプログレッシブ(急進左派)運動が株主アクティビズムを奨励して、米アマゾンを組合労働者側の主張に従わせたり、人権団体が米ナイキの株を購入して圧力をかけ、ウイグル族らに強制労働をさせている中国との関係を断せたせたりすることになるか、今後の動きに注目したい。

編集=江戸伸禎

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