英国の情報通信庁であるOfcomは規則に違反した企業に対し、最大1800万ポンドの罰金、もしくは世界の売り上げの10%のうち、どちらか高い方の金額の支払いを命じることが可能になる。昨年の売上が710億ドルだったフェイスブックの場合は、70億ドル(約7270億円)以上の罰金支払いを求められることになる。
さらに、規則の遵守を怠った企業の幹部らが、個人としての責任を問われる可能性もある。
この法律の適用対象となるのは、英国のインターネット利用者がアクセス可能なユーザー生成コンテンツを配信する全ての組織で、SNSだけでなく検索エンジンやメッセージサービス、出会い系アプリ、チャット機能を持つゲームも含まれることになる。
「この法案は、インターネット上の危険を取り除くための重要なステップとなる」と、英国野党の内閣でデジタル・文化・メディア・スポーツ大臣を務めるJo Stevenは述べている。
「私たちは政府に対し、ヘイトスピーチや誤った情報、自傷行為につながるコンテンツなどをもっと真剣に取り締まることを求めていく。インターネットは誰にとっても安全な場所であるべきだ」と彼女は主張した。
また、イングランドの児童委員であるアン・ロングフィールドは、「この法案には、メッセージングアプリに対し、児童虐待や子供の搾取を発見するためのテクノロジーの導入を義務づける条項も盛り込まれる」と述べた。
さらに、一部の専門家からは、オンライン詐欺を防ぐための規則も法案に盛り込むべきだという声もあがっている。
オンライン・ハームズ・ビルは来年、英国議会に提出される予定だが、実際に法律として導入されるのは2022年以降になる見通しだ。