ビジネス

2020.12.25

遺伝子解析を日本に。課題は世間との認識のギャップ|ジーンクエスト 高橋祥子#2

ジーンクエスト 高橋祥子

「未来のための遺伝子解析を」を掲げ、日本最初の個人向け大規模遺伝子解析サービスを提供するジーンクエスト。日本人の遺伝情報に特化した研究情報をもとに信頼性の高いデータを提供している。同社代表取締役の高橋祥子氏に、起業家にとって重要な素養、遺伝子解析の未来などについて聞いた。(全2話中、第2話)
第1話はこちら

*情報は2019年3月現在のものです。


遺伝子解析サービスの設計図


──遺伝子情報というビッグデータをもとにしたサービスを展開されています。ビッグデータ分析ビジネスを展開する上でのポイントをお聞かせください。

「データを使って何をやるのか」を最初に明確にすることが大切だと考えています。

私たちの場合、遺伝子や健康データといった「生体データ」を集めることで「生命の法則性を見つけ、活用する」ということをやっています。

例えば、「糖尿病経験者はこの遺伝子を持っている」といった法則性を導くことができれば、その遺伝子を持っている人の生活習慣に介入し、糖尿病予防に活用できるかもしれません。

ユーザーがお金を出すのは「データ」自体ではなく、データを使ってやる「何か」です。そのゴールを明確にしてからデータ分析を設計することが大切です。

──まずは多くのデータを集め、どのように使えるかは後で見出す、といったケースも多いようにも思います。

私は大学院時代、ゲノムのみならずあらゆる生体ビッグデータを集めて解析し、疾患の研究をする「バイオインフォマティクス」を専攻していました。

その現場でよくあったケースが「データを集めてみたものの、どうしたらいいかわからない」というもの。「何に活かすためのデータか」が定義されていないまま取得したデータは、ただのゴミになってしまうことも多いのです。

私たちはデータを集めるより先に、「遺伝子情報を後追いできる仕組み」から設計しています。その設計があるからこそ、無駄なくデータを集め、研究にも活かすことができているのだと思います。
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文=城戸大輝 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

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