シネマ未来鏡


2.「世界の果てまでヒャッハー!」(2015年)ニコラ・ブナム&フィリップ・ラショー監督

フランス映画界の「才人」フィリップ・ラショーが監督、脚本、主演をつとめた超ノーテンキな抱腹絶倒コメディ。実は、この前に同じスタッフと出演者でつくられた「真夜中のパリでヒャッハー!」(2014年)という作品があり、その続編でもある(日本での公開は「世界の果てまで〜」が先)。

どちらの作品も、置き忘れられたビデオカメラの映像から、劇中で起きたドタバタ騒動の真相が語られるという手法をとっており、「ハングオーバー!」シリーズ3部作(2009〜2013年)と大ヒットした日本映画「カメラを止めるな!」(2017年)をミックスしたような作品と考えてもらえばいいかもしれない。

作品の舞台は、「世界の果て」ではなく、ブラジルの環境に配慮したというリゾート。そこにフランスからやってきた一団が巻き起こす遭難事件や現地住民との交流などが描かれていく。その上を下への大騒動に、ラショー演じる主人公が恋人に結婚を申し込むという展開が絡み、残されたカメラの映像によって登場人物たちの意外な関係まであぶり出されていく。

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(c)AXEL FILMS – MADAME FILMS – M6 FILMS – CINEFRANCE 1888

脚本が実に巧みで、登場人物たちの設定も際立っており、おまけにいかにもフランス製というような艶笑エピソードも盛り込まれており、コロナ禍などすっかり忘れさせるアドベンチャーコメディが展開される。

才人フィリップ・ラショーの監督、脚本、主演作品としては、南仏カンヌを舞台にしたラブコメディ「アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件」(2017年)もあり、こちらもとにかく文句なしに楽しめる。

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『世界の果てまでヒャッハー!』DVD発売中/DVD2800円(税抜)/発売元:アルバドロスフィルム

3.「WAR ウォー!!」(2019年)シッダールト・アーナンド監督

イタリア、フランスと来たが、次はインドだ。劇中に登場する踊りのシーンを除けば、これがメイド・イン・インドの作品かと思ってしまうくらい、ハリウッド顔負けの堂々たるスパイアクション作品だ。配給会社の宣伝物には、2019年の「インド映画全世界興行収入第一位」とある。

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WAR(c)2019 YASH RAJ FILMS PVT. LTD.

物語は、組織を裏切った腕利きのスパイを、その教え子でもあったスナイパーが追うという流れだが、とにかく繰り広げられるアクションシーンが見事。この2人を演じるのが、インドの大スターであるリティク・ローシャンとタイガー・シュロフなのだが、身体能力がまことに素晴らしく、アクションのキレがいい。2人をめぐっては後半にちょっとしたサプライズもあり、ひと筋縄ではいかない展開も用意されている。

文=稲垣伸寿

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