『愛の不時着』から『NiziU』まで 2020年韓国エンタメのヒットが意味するもの

世界で人気を誇る「BLACKPINK」の4人(CBS Photo Archive/Getty Images)


得意分野を伸ばし、攻め時を逃さないのが韓国流


実はKコンテンツだった──。そんなやり方でも韓国は攻めています。例えば、連続ドラマ『グッド・ドクター』は日本版をはじめ、アメリカや各国でその国に合わせたローカル版が続々とつくられ、世界的なリメイクドラマ成功例でもあるのです。
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韓国が最も得意とする音楽バラエティ番組のリメイクも、2020年に世界でブレイクしています。米FOXでアメリカ版として作られた『The Masked Singer』が2019年に大ヒットしたのを皮切りに、瞬く間に各国でローカル版が作られているだけでなく、この番組にインスパイアされた番組が世界各地で大量発生しています。韓国が生み出した「仮面を被って歌うその人は誰?」という歌とクイズを組み合わせたバラエティ番組が2020年のトレンドになったのです。

これは攻め時と言わんばかりに、韓国からも新たな歌バラエティ番組が開発され、これまた成功しています。

米FOXで新たな韓国発番組『I can see your Voice』が2020年秋にデビューすると、欧州やアジアなど数十カ国でローカル番組制作の契約が結ばれ、2020年のバラエティ番組リメイク取引ランキングのトップ3番組にもランクインしました。
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アメリカ版『I can see your Voice』でホストを務めるKen Jeong (FOX/Getty Images)

さらにここにきて、韓国が生んだスマホ特化の縦スクロールウェブ漫画「ウェブトゥーン」人気もじわじわと上り始めており、市場のツボを押さえた韓国エンタメオールジャンル総攻めの勢いは止まりません。

社会情勢を反映したストーリーや人材の活かし方など、得意分野を伸ばしながら、コロナ禍であろうが何だろうが、攻め時を1ミリたりとも逃さないのは韓国らしいやり方です。せっかくアジアに目が向けられているこのタイミングに、日本も日本らしさを失わずに、商機を掴みたいものです。

連載:グローバル視点で覗きたいエンタメビジネスの今
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文=長谷川朋子

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