ビジネス

2020.12.22

パンデミック後の製造業 データxアナリティクスで利益を生む、3つの方法

ウィズコロナ時代の製造業に求められることとは?(Getty Images)


サプライチェーン上の各社が、共通のプロセスと処理を経てデータを共有することで、Surgereが提供するプラットフォームを通じて在庫やその他の資産をリアルタイムで正確に追跡をすることができます。この可視性は生産性を大きく向上させるだけでなく、サプライチェーンの弱点を特定し、レジリエンス(適応、回復できる力)を高めることにもつながります。

別の例として、ワインとスピリッツ業界のグローバルなリーダー企業は、ボトル製造と流通プロセス全体のサプライチェーンデータを追跡するため、EVRYTHNGと提携しています。リアルタイムデータと高度な予測アルゴリズムを活用することで、厳しい品質要件と求めるコマーシャル・エクセレンスの達成を支えるサプライチェーンの可視化を実現しました。サプライチェーン全体のリアルタイムデータを入手し、必要な時にすぐにアクセスが可能な製品クラウドのおかげで、ボトルが市場に出る前に不良品を検出して、その流出を阻止することができます。

カスタマーエクスペリエンス


製造業者は、よりカスタマイズされた製品を提供したり、製品の出どころの確認できるようにしたりと、カスタマーエクスペリエンスの向上にも、データとアナリティクスの連携を活用しています。

その一例は、個別化されたがん治療です。例えば、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、がん患者の転帰改善を目指し、医療提供者、サプライヤー、検査施設からなる広範なエコシステムと連携しています。このエコシステムのすべての関係者が、患者データを交換し、特定のがんの治療をパーソナライズしています。このシームレスなエンドツーエンドのデータフローにより、患者自身の細胞を使用した治療が可能になります。

別の例として挙げられるのは、製品の認証です。ラルフ ローレン株式会社(RLC)はEVRYTHNGと提携し、同社の全製品ポートフォリオをウェブ化。各製品にデジタル製品IDを割り振りました。RLCの製造パートナー各社は、生産から販売、その先に至るまでの追跡が可能となるよう、工場内の各アパレルアイテムにタグをつけています。リアルタイムの可視性は、サプライチェーンの整合性のより適切な管理を実現し、より効率的かつアジャイルな運用に必要なデータインテリジェンスを提供します。また、消費者も、購入した商品が本物であることを確認できるようになるとともに、RLCとの直接の関わりを持てるようになります。

社会的、環境的影響


データとアナリティクスにおける連携は、特に持続可能性の面で社会全体に利益をもたらします。企業と政府がこのような問題に取り組むために力を合わせる時には、共通のデータエコシステムが不可欠です。
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文=Felipe Bezamat, Memia Fendri, Stephan Bloempott

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