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起業家たちの「頭の中」


一方で、そうやって物事を客観視ばかりしていても、人間として魅力的ではなくなってしまいます。「エモーション」こそが世界を変える原動力になります。

なので「ポジティブな感情」、たとえば「楽しいから好き」とか「ゲノムは絶対に可能性がある」といったことに対する感情は、自分の主観として大切にしています。

「エモーションとロジック」、言い換えると「主観と客観」の行き来。このように思考の枠を行き来することは、起業家になってから養われた力だと感じています。

「時間軸」を変えて思考する


──起業家の素養としてで挙げられた「時間軸の認識」は、どのように身につけられたのでしょうか?

ささいなきっかけなのですが、「時間軸の認識」の大切さに私が気づいたエピソードをお話しします。

私には弟がいるのですが、小学生だった頃に私が冷蔵庫にとっておいたアイスを食べられて喧嘩をしたことがありました。その1週間後に母親が「弟が食べちゃったから」とアイスを買ってきてくれたのですが、その時には私は怒りをすっかり忘れてしまっていました。

そこで気がついたのは、「弟にアイスを食べられた瞬間に、1週間後にタイムスリップできれば腹が立たない」ということ。その経験から、「今の時間軸で考えること、1週間後1年後10年後の自分に立って考えること」を思考実験として繰り返すクセがついたのです。

プレゼンで緊張する時でも1年後から見たら「そんなこともあったな」と思えるし、努力が辛くても1週間後から見れば「やってよかった」と思えればつらくなくなります。

さらに起業してからは「今の取り組みが将来的にどういう意味を持つか」と、時間軸を変えて事業を判断することが増えました。

常に思考に対して「時間軸の認識」を持つこと。これは起業家が困難を乗り越える上で大切な思考法だと思います。


高橋祥子(たかはし しょうこ)/1988年大阪生まれ。2013年6月、東京大学大学院博士課程在籍中にジーンクエストを設立。2015年3月博士課程修了。2017年10月にユーグレナグループに参画、2018年4月にユーグレナの執行役員に就任。

連載:起業家たちの「頭の中」
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文=城戸大輝 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

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