アイファイの創業者で最高経営責任者(CEO)のスティーブ・グーはこう述べている。「ハイブリッドアプローチは、買い物客たちに自動ショッピング体験を紹介し、いらだたしいレジ待ちの列に並ぶ必要のない快適さになじんでもらうための手だてを小売業者に提供するものだ。それと同時に、人ごみを避ける手段にもなる。この点は、パンデミックの渦中においては特に重要だ」
アイファイは自社技術の展開にあたり、特許技術の自動ストアプラットフォーム「OASIS」と、処理時間の短縮を可能にするコスト効率の良いコンピュータビジョン・ソリューションを活用している。同社の技術では、店内を移動して商品を選ぶ際の客のショッピング行動を高い精度で追跡できる。
また、アイファイの説明によれば、顔認識データや生体認証データは保存されないため、買い物客のプライバシーが保たれるという。「接触のない迅速で快適なショッピング体験を買い物客に提供すると同時に、小売業者に対しては、きわめて効率の良い運営を実現する詳細な在庫・分析情報を提供する。また、EU一般データ保護規則(GDPR)とカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)を完全に遵守しているので、客の個人情報が開示されることはない」とグーは説明する。
中国では当初、無人ストアの拡大に関して楽観的すぎる予測が出されていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を重視する新たな行動様式が浸透したことで、無人ストアに第2のチャンスが生まれている。
アイファイは先ごろ調達した資金をもとに、2021年に新たに330店舗を開設する計画を進めており、2021年はじめに10店舗以上をオープンさせる予定だ。