米カイザー・ファミリー財団が実施した世論調査によれば、回答した18歳以上のおよそ1700人のうち、71%が「必ず、またはおそらく」ワクチンを接種すると答えた。9月の調査でこのように答えた人は、63%だった。
ワクチン接種への関心が高まる背景には、食品医薬品局(FDA)が製薬大手ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンに初の緊急使用許可を与えたこと、医療従事者を対象とした接種がすでに米国内の各地で開始されたことがある。
カイザーによると、接種を受けたいと回答した71%のうち、「可能な限り早く」と答えた人は34%だった。このグループに入る人のほとんどは、「高齢者」「白人」「民主党支持者が大半を占める大卒・院卒者」となっている。
一方、接種に消極的な「おそらく、または絶対に受けない」という27%の回答者は、大半が共和党支持者とアフリカ系米国人が占めている。
ただ、これらの人たちが接種を希望しないと答えた理由には、ワクチンを打てる人の優先順位がすでに決められていることもあるかもしれない。接種はまず、医療従事者と、介護施設に入居する高齢者を対象に行われることになっている。
同財団のドリュー・アルトマン理事長はこうした調査結果について、次のように述べている。
「(接種を)ためらっている人の多くは、今は様子を見ているところなのだろう。この人たちが懸念しているのは副反応や、ワクチンによって感染する危険性だ」
「これらの懸念は、より多くの情報が提供され、知人のなかにもワクチン接種を受ける人が出てくることで、次第に解消されていくだろう」
アナリストらは、ワクチンを最初に接種した人たちに副反応が出ない、または出たとしてもごくわずかであることが示されれば、接種を受けようとの機運は今後、確実に高まっていくだろうとの見方を示している。
他社のワクチンも近く承認へ
米バイオ製薬のモデルナが開発したワクチンも、近くFDAから緊急使用許可の承認を受けるとみられている。
また、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は先ごろ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどその他の企業が開発したワクチンも、早ければ来年3月末から4月初めには、医療従事者と高齢者以外を対象とした接種が開始されるとの見通しを明らかにしている。