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2021.01.01 10:00

2021年版「30アンダー30」、製造業を変える若手起業家

Westend61 / by Getty Images

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製造業での起業は好景気であっても容易でないが、2020年は新型コロナウイルスのパンデミックなどの逆風に見舞われ、なおさら困難な年だったにも関わらず、多くの若手起業家が製造業でイノベーションを起こした。フォーブスが毎年公表している30歳未満の起業家リスト「30アンダー30」の製造業カテゴリーでは、ローコスト住宅からハイテクジーンズ、3Dプリンティングなど、様々な分野で活躍する起業家が選出された。

「Icon」の共同創業者であるAlex Le Rouxは、3Dプリンターを使って建設業界に革命を起こした。彼は、テキサス州のベイラー大学に在学中に「3Dプリンターをもっと大きくして、コンクリートを材料に使えるようにできないだろうか」と考え、建設用3Dプリンター「Vulcan」を開発した。

Vulcanは、高さが約3.7メートルもある3Dプリンターで、コンクリート製住宅を24時間で建設可能で、建設費を従来より30%安く抑えられる。Iconは、2018年に全米初の3Dプリント住宅を建てた後、メキシコに進出し、低所得者向けコミュニティ住宅を世界で初めて3Dプリントを使って建設した。

Iconは累計4400万ドル(約46億円)の資金を、故ポール・アレンが設立したバルカン・キャピタルなどから調達し、国防総省からの契約を獲得したほか、NASAが月面に建造物を建設するプロジェクトにも加わっている。

「Barrelhand」創業者のKarel Bachandは、3DプリンターをIconとは対照的な方法で使っている。Barrelhandが作っているのは、3万ドルする高級時計だ。同社は、3Dプリンターで精密部品を製造している。

「Firehawk」の共同創業者兼CEOであるWill Edwardsは、3Dプリンターでロケットエンジンを製造している。同社のロケットエンジンは、たった12個のパーツからできており、製造コストは競合製品より80%安い。カスタム設計の場合でも4ヶ月で製造可能だという。

同社は、ロケット燃料を3Dプリンターで作る技術を開発し、特許を5つ取得している。この手法により、汚染や爆発を防ぐことができるという。

3Dプリンターをアパレルに活用


3Dプリンティングは、月面の住宅やロケットのためだけの技術ではない。Kevin Martinは、コロラド大学ボルダー校で機械工学の学位を取得後、ハイテクアパレル企業「unspun」を友人と共同で創業した。

unspunは、3Dスキャンを用いて3Dジーンズをオンデマンドで製造している。同社は、体に完璧にフィットするジーンズを作ると同時に、繊維廃棄物や在庫を削減することを目指している。Martinと共同創業者らは、ハードウェアアクセラレーター「HAX」のプログラムに参加し、これまでに約500万ドルを調達している。
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編集=上田裕資

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