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サマンサ・デュ(C)zailaboratory

現在56歳の中国の女性起業家、サマンサ・デュ(Samantha Du)は中国の医薬品市場の活況ぶりを象徴する人物として注目を浴びている。しかし、彼女の成功は新型コロナウイルスの大流行とは無関係だ。

彼女が率いる上海本拠のバイオ医薬品企業「ザイ・ラボ(Zai Lab)」は2017年に米ナスダック市場でIPOを実施して以降、2020年11月までに株価を約4倍に伸ばし、時価総額は11月末時点で95億ドル(約9890億円)に達した。

セコイア・キャピタルでヘルスケア分野への投資を手がけた彼女が、同社を立ち上げたのは2014年のことだ。その当時、中国政府は医療業界から官僚主義を排除し、新薬の承認プロセスを迅速にしようとしていた。

デュは、ライセンスモデルを採用し、外国企業の医薬品を中国で販売する権利(多くの場合、独占的なもの)を取得することで、競合他社に先んじることができた。

ザイ・ラボのベストセラーの卵巣がん治療薬Zejulaは、グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)からライセンスを取得したものだ。2019年12月にZejulaの中国本土での販売許可を取得した同社の2020年上半期の売上は、前年同期比で約6倍の約1900万ドルに急増した。

さらに、今年5月に米国のNovocure社からライセンスを受けて中国本土で販売を開始した、がん治療デバイスOptune(オプチューン)も売上を伸ばしている。

ザイ・ラボはまだ損益分岐点に達していないものの、投資家は同社の将来を期待している。中国のバイオ医薬品市場の売上は、2018年に1370億ドルに達し、米国に次ぐ2番目の市場となった。米国の調査企業イクビア(Iqvia)は、この市場が2023年までに1700億ドルに成長すると予測している。

「デュ博士はライセンス医薬品市場に対する深い知見を持っており、新たなプロダクトを中国で成功させるためのノウハウを持っている」と、上海のチャイナ・ルネッサンスのアナリスト、趙冰は話した。

ファイザーに勤務後、セコイア・キャピタルに


1994年にシンシナティ大学で生化学の博士号を取得して卒業したデュは、まずファイザーに就職し、2001年には香港のがん治療薬開発会社Chi-Medの最高科学責任者に就任した。Chi-Medで彼女が開発を指揮したFruquintinibは、2018年に中国で規制当局の承認を得た初の国産抗がん剤となった。

2011年にセコイア・キャピタル中国に入社した彼女は、ヘルスケア分野の投資を手がけた後、2014年にザイ・ラボを設立した。

デュによると、ザイ・ラボが今後、中国に輸入可能な薬剤はまだ豊富にあるという。「今後の3年間で、複数の分野にまたがる医薬品の中国市場での認可を取得し、その利用を促進していく」と、彼女はアナリストたちに話した。

編集=上田裕資

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