ビジネス

2020.12.15

独占法違反で提訴のフェイスブック 暴君企業がついに解体へ?

AlexandraPopova / shutterstock.com


そしてついに規制当局が動き出した今、フェイスブックは同社史上最大の危機に直面している。だが同社の反応は、さまざまなくだらない反論をすることだった。同社は、今回の訴訟は歴史を書き換えようとする試みだとか、現状すでに多くの競合が起きていると主張。そして揚げ句の果てには、買収する企業にとって最善なことを考えているとまで言い出した。

フェイスブックの行動は同社の視点から見れば理にかなっていることであり、もちろんTikTokのような競合もいる。しかし、フェイスブックがティックトックの買収を試みていないのであれば、それは規制当局の注目をこれ以上引きたくないからだ。また、フェイスブックは既に2回ティックトックの模倣を試みている。

FTCがようやく起こした訴訟がどう転ぶかは注目だ。独占禁止法の違反行為を証明するには、仮定や想像上のシナリオに基づいた議論が必要となるため、簡単ではない。しかし、長年にわたり競合を探して破壊する戦略を取ってきたフェイスブックには動かぬ証拠がある。シリコンバレーでは誰もがこのことを知っている。同社は多くの国で最大手であるのみならず、2位や3位の企業まで所有しており、ソーシャルネットワーク全体を事実上掌握している。

フェイスブックが過大な権力を持ち、ありとあらゆる競合を潰すことによってその地位を手にしてきたことは、各国の政治家が承知している。このような搾取的な振る舞いをしながらもお咎めを受けなかった企業は、私はフェイスブック以外には思いつかない。

とはいえ、来るべき状況はもたらされた。このトピックを長年研究し、学生と議論してきた教育者の立場から言わせてもらえば、潮時はとうの昔に迎えていたのだ。

編集=遠藤宗生

ForbesBrandVoice

人気記事