ビジネス

2020.12.24

アマゾン社員はメール処理をこうやって「やめて」いる

shutterstock.com


また、メーリングリストではないメールの場合はどうか。整理・整頓の手がかりになるのは、「共有」「展開」系のメールだ。

「共有します」「展開して」は、ビジネスシーンで日々唱えられるフレーズだが、こと「情報共有系」のメールに関しては優先度を下げても事故にならないことが多い。いっそ思い切って、そこは見るのをやめる、という手段もありである。

アマゾンのすごい優先順位の方法、「レメディー・チケット」


「やめる」ために、優先順位をつけるのは当然だ。その点、アマゾンの「優先順位」のつけ方は非常に合理的だ。

アマゾンでは「Remery Ticket(レメディー(療法)・チケット)」と呼ばれる「切符」を使って、起きている事故、不具合の「手当て」をどれくらい急ぐべきか、順番をつけている。このレメディー・チケットが切られると、メールで通知が届く。

チケットを切る者は、起きている不具合の緊急性、重要度によって「セブ(severity=重要度)1」から「セブ6」まで、数字をふる。重要度最高である「セブ1」はいわば、「出血がひどい、すぐに救急車を」という状態。ジェフ・ベゾスにまで報告されることがある。

この「セブ1」や「セブ2」のチケットで自分が言及、あるいはアサインされていることは、見落とすと大変な責任問題になる。最近では、セブレベルの高いチケットが切られた場合、深夜に「アラーム音」がなることもあるようだ。

メールとの関わり方をちょっと再考するだけで格段に時間を削減し、仕事そのものの優先順位をつけることができる。この年末、ぜひメールの整理と、来年のための「5Sの仕組み作り」を進め、合理的な仕事の態度を身につけていただきたい。

文=佐藤将之 編集=石井節子

タグ:

連載

「やめる」を決める

ForbesBrandVoice

人気記事