Noam Galai / byGetty Images

米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を許可した。だが、残念ながらワクチンの使用が承認されただけでは、米国ほか各国で続くパンデミックの“終わりの始まり”が見えたことにはならない。

極めて重要なものでありながら、米国でいまだ大幅に不足している対策の1つが、「迅速検査」の実施だ。この検査はソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用、頻繁な手洗い以上に、そしてワクチン以上に、私たちが新型コロナウイルス打ち負かすために必要な推進力を与えてくれるだろう。

数日後ではなく、数分後に結果が分かる検査を、米国の家庭ですべての親たちが仕事に行く前に、すべての子供たちが学校に行く前に、自宅で受けることができたらどうだろうか。すべての学校がすべての生徒と教師に、すべての職場がすべての従業員に検査を行うことができたらどうだろうか? 想像してみてほしい。

州政府の支援を受け、迅速検査を導入する取り組みは、増加している。だが、政策と資金の面における連邦レベルの全面的な支援がなければ、こうしたプログラムを可能な限り、または十分に、効率的かつ広範囲に実施していくことはできない。

迅速検査の多くのメリット


自分でできる新型コロナウイルスの迅速検査のなかには、妊娠検査薬と同じように簡単に使えるもの、(米ルシラ・ヘルスの検査キットのように)陽性一致率が95%近いものもある。生産量が1日当たり5000万〜1億個というキットもある。

全国民を対象に検査を行うユニバーサル・スクリーニングにより、C型肝炎の流行を抑え込んだエジプトで使用された検査キットのように、安価なものもある。ラトビアでは迅速検査キットを扱う自動販売機が開発され、病院などに100台が設置される予定だ。

また、英BBCによれば、リバプールでおよそ55万人の人口のうち20万人以上に迅速検査を実施したところ、感染者数は短期間のうちに大幅に減少したという。

編集=木内涼子

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