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積み重なるグローバルな債務を解消すると同時に、経済成長の鈍化、高い失業率、社会不安などの問題に解決の道筋をつける、究極的なイベント──筆者はそれを「グレート・リセット」と呼んできた。

筆者はもう何年も前から、この概念について語ってきた。以前、それが起きるのは我々が「債務の壁」にぶつかった後、おそらくは2020年代後半になると予想していた。だが、近頃の情勢によって加速されている他の多くの物事と同様に、そうした種類のグレート・リセットが起きる時期はさらに早まりそうだ。

さらに最近になって、さまざまな人々も、それぞれの意図を持って、この言葉を使い始めた。なかでも、「ダボス会議」で有名な世界経済フォーラム(WEF)は、新型コロナウイルスによるパンデミックを、資本主義を完全にリセットする好機と捉えている。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるロックダウンは徐々に緩和される可能性があるが、世界の社会・経済の見通しに対する不安感は高まるばかりだ。こうした不安にはもっともな理由がある。急激な景気の悪化がすでに始まっており、(世界恐慌が起きた)1930年代以降で最悪の不況に直面する可能性があるからだ。だが、このような結末を招く可能性は高そうに見えるものの、まったく避けられないわけではない」

「結末をより良いものにするために、世界は、教育から社会契約、労働条件に至るまで、我々の社会と経済のあらゆる面の改革に向けて、今こそ手を取り合い、素早く行動しなければならない。米国から中国に至るすべての国の参加と、石油やガスからテクノロジーに至るあらゆる産業の変革が必須だ」

「要するに我々は、資本主義の『グレート・リセット』を必要としているのだ」

世界経済フォーラムではその取り組みを、「グレート・リセット・イニシアティブ」として掲げている。

念のために言っておくと、世界経済フォーラムの提案の多くは、筆者が見ている状況をよりいっそう悪化させるだろうと考えている。

資本主義が道を外れ、何らかの調整を必要としていること、そしてそれが微調整にとどまらないという点については、筆者も同意見だ。縁故資本主義や、政府から特別な取り計らいを受けるためのロビー活動が招いた現在の醜態は、実に許しがたいものだ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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