ライフスタイル

2020.12.19 16:00

紳士のジュエリーは控えめながら、面白さと上品さを


小暮:よく欧米の人たちはネクタイに入ったモチーフで自分の仕事や趣味を表現している人がいます。自動車関係の仕事をする人ならばクルマ、物書きならばペン、釣り好きならば魚や釣り道具とかをモチーフに。

森岡:自分のアイコン的なネクタイも悪くはありませんが、こちらのほうが断然、“遊び心”があります。

小暮:数年前からジャケットのフラワーホールに“飾り”を付けて販売するイタリアのブランドが人気になりました。昔の欧米のしゃれた紳士たちはここに生花を飾りましたからね。日本では社章などを飾る人が多かったのですが、おしゃれを楽しむならば、こうしたピンを飾るのもいいのではないでしょうか。

森岡:ジャケットの胸ポケットにチーフを挿すのが恥ずかしいと感じるならば、代わりにこんなラペルピンで、控えめながら、面白さを演出してみてもいいのでは。昨今のカジュアルなジャケットならばなおさら合うと思います。

小暮:デザインは面白く、オリジナリティを感じますが、つくりも精緻そのもの。この点でも男心を刺激するのでは。

森岡:たくさんの極小パーツを組み立てる立体構造で、クラフツマンシップを感じます。一点一点、ものづくりをするため、生産点数も限られていますので、完全にレアアイテムだと思います。

小暮:そういう希少性もジュエリーの場合は、重要な要素ですね。ひとつ気に入ると、別のものも絶対欲しくなる出来栄えです。

森岡:実際リピーターは多いそうです。それに女性のお客様にも人気だそうです。またプレゼント用にもいいと思います。男性でも女性でもこういうジュエリーを贈られたらうれしい。

小暮:もしかしたら、誰かに贈ろうと思って選んでいませんか、森岡さん(笑)。


森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ、現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

photograph by Masahiro Okamura | text by Masahiro Kogure | fashion direction by Hiroshi Morioka | illustration by Bernd Schifferdecker | edit by Akio Takashiro

この記事は 「Forbes JAPAN No.076 2020年12月号(2020/10/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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