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2020.12.19 16:00

紳士のジュエリーは控えめながら、面白さと上品さを

イーノス(E-NO’S)

イーノス(E-NO’S)

Forbes JAPAN本誌で連載中の『紳士淑女の嗜み』。ファッションディレクターの森岡弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る。今回は12月号(10月24日発売)より、「イーノス」のラペルピンをピックアップ。


小暮昌弘(以下、小暮):今月はアクセサリー、それもジュエリーですね。メンズ向けのブランドですか?

森岡 弘(以下、森岡):日本の「イーノス(E-NO’S)」です。デザイナー、クラフトマン、スタイリスト、各分野のスペシャリストが集結したジュエリーブランドで、今年で20周年を迎えます。

小暮:ジュエリーはいわばアクセサリーです。アクセサリーと聞くと私が思い出すのが、ココ・シャネルの「出かける前に鏡をのぞいて、アクセサリーをひとつ外しなさい」という言葉。もちろんこれは女性が身に着けるアクセサリーに対しての言葉ですが、男性でも同じことがいえます。ビジネスシーンならば、なおさら“控えめ”が大事だと思います。

森岡:「イーノス」はリングやペンダントヘッド、ブレスレットなど、ジュエリーの王道を行くものがもちろん主力商品です。しかし今回は、ビジネスでの場面でのスタイリングを考えてジャケットの胸元を飾るラペルピンをあえて選んでみました。

小暮:いやぁ、このラペルピンはマニアックですね。男子にはたまらないデザインだと思いますね。

森岡:そうなんです。時計のパーツのようなギア風のデザインであったり、スポーツアイテム風だったり。こういう世界を面白がってくれる人は必ずいますよね、小暮さん。

小暮:事前にいただいた資料を拝見すると、「優れたデザインは、遠い未来ではなく、懐かしい未来を感じさせる」とありました。どこか懐かしさがあるところも「イーノス」の特徴のような感じがしますね。

森岡:それも絶対ありますね。1930年代の技術革新から生まれたフォルムやインダストリアルなデザインからもインスピレーションを得ていると「イーノス」の代表の榎本さんが仰っています。

小暮:それにこの西洋の甲冑(かっちゅう)のようなピンや歯車のピンはパーツがそれぞれ動くようになっていますね。

森岡:そうなんです。ジャケットのラペルに着けたとき、微妙に動いてくれるものもありますし、すごく手が込んでいるのです。
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photograph by Masahiro Okamura | text by Masahiro Kogure | fashion direction by Hiroshi Morioka | illustration by Bernd Schifferdecker | edit by Akio Takashiro

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