ビジネス

2020.12.15 16:30

定額制パーソナルフードで、一人ひとりに「新たな食の楽しみ」を

ウィズ・コロナ、アフター・コロナ時代における「食の楽しみ」の象徴とも言えるのが、一人ひとりの体や生活習慣に合わせて必要な栄養素を自宅に届ける「定額制パーソナルスムージー」のGREEN SPOONだ。

60種類以上の野菜やフルーツ、スーパーフードから作成した25種類のレシピから最適な組み合わせのスムージーが届く。瞬間冷凍された野菜やフルーツの素材が届き、食べる直前に自らつくるスタイルも特徴で、好きなトッピングの追加や、オリジナルのリゾットやポタージュをつくるアレンジもできる。

パーソナルスムージーの企画・製造・販売を行うGreenspoonは、代表取締役CEOの田邊友則が2019年5月に創業。20年3月に発売した同サービスは好評で、月間売上高は約3倍に成長。20代後半〜30代女性が中心に利用し、累計契約者数は7000人を超えているという。

Greenspoon社を創業以前から支援し、投資したのが、山田優大が代表パートナーを務めるFull Commit Partnersだ。「起業家ファースト」を掲げる山田はなぜ、田邊に投資をしたのか。


田邊:「リモートワークで楽しみは食しかない。GREEN SPOONをいつも楽しみにしています」といったお客様の声を、インスタグラムのDMなどでいただきました。とてもうれしかったですね。

サービス開始は3月25日とコロナ禍でした。ただ、発売以前に想定していたよりも3倍以上の売り上げが出ています。一方で、オペレーションが大変です。5月にテレビ番組で紹介された後、2カ月先の在庫までなくなり、お客様に待っていただいた。供給サイドの強化として、急きょ、製造工場と交渉し、増設もしてもらいました。まさにうれしい悲鳴です。

山田:田邊さんと出会った19年2月、投資実行した同年5月時点では、まだスムージーの事業をやると決まっていませんでした。投資先の社長からの紹介で田邊さんと会い、3日くらい後の夜に飲みに行って、その場で投資を決めました。投資委員会の時にはまだ社名すら決まっていなかったくらい。

3カ月にわたる事業ディスカッションで、事業プランも何個考えたか。メンズの下着や高級肉のサブスクとかもありましたよね(笑)。

僕が投資時に重視するのは、2つあります。一つは、チームを作れる起業家であるか、もう一つは「会話のキャッチボール」の気持ちよさ。僕は毎日、起業家とコミュニケーションをとるので、お互いに好きでなければいけないと思っています。だから、投資検討する起業家とは必ずご飯に行き、事業ではなく、「これまで何をしてきて」「どういう価値観に共感し、何をしたいか」というお互いの人生の話をします。
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文=山本智之 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN Forbes JAPAN 11月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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