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こういう漫画についてどんどん書いたり、読んだり、翻訳したりして、世界中に漫画の価値をほんの少しでも広げられたらと思います。

英語圏の漫画のイメージも変えたいと思います。絵の本は(ヒーローコミック以外)子供しか読まない物だという偏見がまだ残っていて、「漫画」という言葉を言うと「少年漫画」のイメージしか考えない人が多いと思います。すごく面白い少年漫画もありますけど、『ラヴ・バズ』のような漫画をもっと見せたいと思います。あと、いつかエディンバラを舞台にした漫画を読みたいです。

門倉:第1回、第2回でたっぷり語っていただいた志村貴子作品以外の、お好きな漫画について教えてください。

ウィルソン:全部書いたら長い一覧になるかもしれません。大体こういう漫画が好きです。

雁須磨子さんの『あした死ぬには、』:今読んでいるところです。すごい漫画だと思います。

高松美咲さんの『スキップとローファー』:門倉さんに勧めていただきました。面白いキャラクター達です。

ねむようこさんの『とりあえず地球が滅びる前に』:活発で楽しいですね。

オノ・ナツメさんの『さらい屋五葉』:物語もイラストも素敵です。

入江亜季さんの『乱と灰色の世界』:魔法でピカピカします。

岩岡ヒサエさんの『土星マンション』:こんなおっとりした風に騒ぎ過ぎずに社会の不平等に触れる物語があるとは読むまで思わなかったです。

鶴谷香央理さんの『メタモルフォーゼの縁側』:漫画への熱心に感動します。

宮崎駿さんの『風の谷のナウシカ』:読んだのはずっと前ですが、まだとても好きです。

(注:各作品紹介の詳細は本稿の最後に)

同じ作品を読むと「仲間」になってしまう、それが漫画の力


門倉:繊細な心情を描いた作品が並びますね。連載中の最新作も25年以上前の作品もあって、ウィルソンさんがいかに丁寧に日本の漫画全体を見渡しているかがわかります。今の社会を映していたり、今になって重要性が増しているテーマを扱っていたりする作品が多いように感じました。

それとこのリストの中に、ウィルソンさんにお勧めしたいと思っていた作品がいくつもあったので驚きました。最初にお会いした時にも、同じような気持ちになったのを思い出します。

あるカンファレンスでお会いして、お好きな漫画を聞いたら志村貴子さんの『ラヴ・バズ』を挙げてくれたのですよね。1年に1万点以上も新刊が出版される日本の漫画の中で、「私が大切に思っているあの作品は、この人にとってもそうなんだ!」と、遠い国で暮らしているウィルソンさんとの間にパッと太い直線が走ったというか、道が見えたような気がしました。

ウィルソン:僕も本っ当に嬉しかったです。まさか日本に着いてからたったの3日間後に『ラヴ・バズ』を読んだ人に会えるとは思わなかったです。時差ぼけのもやがまだ残っていて、実際のことだとは思えなかったです。初めて志村貴子さんの漫画を読んだ人に会って、門倉さんがどんな人かな、他にどんな漫画を読むかな、とかが知りたかったです。知らない人だらけのカンファレンス場に突然仲間を一人みつけた様な気持ちでした。

文=門倉紫麻 編集=石井節子

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