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つまり、女性リーダーが嫌われる理由は、単にその人が成功したことではなく、その成功が本人の選択によるものであると思われることにある。これは、女性にとっては損しかない状況だ。女性は今の地位に就いた要因が自らの志や努力ではなく運だったとほのめかすことで好感度を上げられるかもしれないが、そうすることには明らかなデメリットがある。自らの成功を運のおかげとしてしまえば、功績を認められず、キャリアに長期的な悪影響があるかもしれない。

女性が女性的なステレオタイプを壊さないことが職場での評価に重要となることは、他の研究からも示されている。昇給を直に要求する女性はジェンダー規範を破っているとして不当な扱いを受けることが多く、昇給を積極的に求めれば最終的に受け取る金額が男性よりも低くなる恐れもある。

ただ、例えば「研修時にチームリーダーから報酬についてあなたと相談すべきだと言われました」などという言い回しで交渉をすることで、この恐れを軽減することもできる。つまり、昇給を求めているのは単に上司からそう言われたからだ、ということを示すのだ。

また別の研究では、女性が選挙に出馬する際、その人が権力を求めていると有権者から思われた場合、票を得られる可能性が減ることが分かっている。一方で男性候補者については予想通り、権力を求めているかどうかは結果を左右しなかった。

ヒラリー・クリントンの選挙運動本部長を務めたジェニファー・パルミエリによると、クリントンの好感度は、当選を目指す目的は人々に奉仕することにあるという印象を持たせることで上昇した。クリントン陣営は、彼女の目的は権力ある地位を求めることではなく、人々を支援する無私無欲なものであると示唆することで、より女性的なイメージを打ち出そうとしたのだ。

リーダーの役割を担う女性が増えれば、権力を求める女性に対する違和感がなくなり、この偏見は消えていくかもしれない。それまでの間は、自分が志の高い女性リーダーを嫌っていることに気づいたら、その理由について深く考える必要があるだろう。

編集=遠藤宗生

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