2位につけている「馬」はやはり米国企業(モデルナ)で、治験結果は今月末にも出る予定だ。米国政府はこのような他5社の「候補」も視野に入れ、ファイザー/バイオエヌテック製ワクチンの追加確保を見送った可能性がある。
しかし、皮肉なことにCNNが「中間臨床試験(治験)の結果、ファイザー/バイオエヌテック製新型コロナワクチンに95%の予防効果が実証された」との衝撃のニュースを報じたのは、米国政府がファイザーから持ちかけられた追加注文を(おそらく再度)「辞退」した後、11月8日のことだった。
そして実にその2日後、EUが2億回分のファイザー製ワクチンを確保したことが報じられた。明らかに、米国が断った分のワクチンがEUに流れたことになる。
ファイザーのトップは、リンクトイン経由などで複数の国の元首から「わが国のためにワクチンを確保してほしい、現在製造中分を予約したい」とのメッセージを次々に受け取っているという。
同社は日本にもすでにワクチンを発送済みで、近く厚生労働省に使用許可を申請する。日本は熾烈化する同ワクチン争奪戦に、今後どう関わっていくのか。