ジョンソンは個人のメールアカウントから送信したそのメールのなかで、署名する議員の氏名を記載したリストをトランプに送付する考えを示している。また、このメールは今回の大統領選の勝者はジョー・バイデン前副大統領であるとすでに公に認めている議員にも送られている。
ジョンソンはこのメールで、「トランプからの依頼を受けて、意見書に署名する同僚たちを募っている」と説明。さらに、トランプは「最終的なリストを受け取るのを心待ちにしている」と述べている。
ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシン、ジョージアの4州で選挙に不正があったとしてパクストンが起こした訴訟には、ほか17州の共和党の関係者(州司法長官を含む)が支持を表明した。
だが、この訴えもまた、失敗に終わる可能性が高いとみられている。民主党の弁護士、マーク・エリアスによると、トランプと共和党が選挙結果を巡って起こした訴訟のうち、勝訴したのはわずか1件。ほか53件は敗訴(または取り下げ)という結果になっている。
共和党の一部は反発
バイデンの勝利を公に認めた数少ない共和党幹部の一人、今期での引退を決めているポール・ミッチェル下院議員(ミシガン州)はツイッターで、意見書に署名しないことを明言。「トランプへの“忠誠心を試すテスト”には、私は不合格のようだ」と述べている。
また、今回の選挙で落選、バイデンの勝利を認めているデンバー・リッグルマン下院議員(バージニア州)はフォーブスの取材に対し、「(この訴訟を支持する共和党員のなかには)心から尊敬している人たちもいる。だが、この件は馬鹿げている」「間違った情報に基づいているのだから、このリストも馬鹿げたものだ」と語っている。
リッグルマンは共和党員のなかで、最も声高にトランプを非難している一人だ。11月にフォーブスのインタビューに応じた際にも、選挙に不正があったとするトランプの主張を共和党が支持するのは「まさに“信用詐欺”であり、今後の選挙に向けた資金集めのための戦術だ」とコメント。今回もまた、同様の考えを示している。
バイデンの勝利を公に認めている共和党所属の連邦議会議員は現在のところ、合わせて23人(下院議員14人、上院議員9人)。米紙ワシントン・ポストがこうした議員の数(同紙の調査では25人)について報じた後、トランプはツイッターに、次のように投稿した。
「それほど大勢いることに驚いている」「(同紙は)私に、その25人のRINO(Republican In Name Only、名ばかりの共和党員)たちのリストを送ってくれないだろうか」
トランプは自らに対して不誠実だと思った共和党員に報復する考えを明らかにしており、すでに一部の議員に対しては、次の予備選では対立候補を支持する考えを明らかにしている。