彼らの狙いは、巨大になりすぎたソーシャルメディアの巨人を解体し、ワッツアップやインスタグラムの買収を取り消すことだ。
バーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント州選出)は、ツイッターでこう述べた。「フェイスブックの強欲さはとどまるところを知らない。彼らは世界の経済や政治を思うがままに操ろうとしており、それをやめさせる唯一の方法は、会社を分割することだ」
アレキサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(民主党、ニューヨーク州選出)も同意見で、フェイスブックが「制御不能な独占状態」を引き起こし、「マーケットパワーを乱用して競争を阻害し、ジャーナリズムを破壊している」と述べた。
エリザベス・ウォーレン上院議員 (民主党、マサチューセッツ州選出)は長年、巨大テック企業の解体を呼びかけてきたが、「フェイスブックはそもそも、インスタグラムやワッツアップの買収を認められるべきではなかった」と述べ、「消費者やコンテンツクリエイターの選択肢を増やすためには競争が必要だ。フェイスブックのような企業に圧力をかけることが、多くの問題の解決につながる」と主張した。
コロラド州の共和党員で下院司法委員会のメンバーであるケン・バックは、「フェイスブックは違法行為によって競争をつぶした」と述べ、「巨大テック企業らは、これから罰を受けることになる」とツイッターに投稿した。
テック業界の内部からも、この訴訟に賛同する声があがっている。検索エンジンDuckDuckGoの創設者のガブリエル・ワインバーグはツイッターに、「フェイスブックは社会を引き裂いた。彼らはそれを修復するつもりはない」と投稿した。
ただし、これに異論を唱える勢力も居る。保守派のシンクタンクCompetitive Enterprise InstituteのJessica Meluginは、FTCの訴訟が反トラスト訴訟に見せかけた「単なる政治ショー」だと述べ、「フェイスブックの買収後にインスタグラムは10億人が利用するアプリに成長したが、それが一体どんな不利益を消費者にもたらしたのか?」と指摘した。
フェイスブック側は反発
フェイスブックに対して起こされた、独占禁止法違反の訴訟は非常に広範囲に及ぶもので、同社の存在を根本から揺るがしかねないものと言える。規制当局はフェイスブックが「自社の独占を脅かすあらゆる脅威を排除するための組織的な戦略」を持っており、その一環として、インスタグラムとワッツアップを買収したと述べている。
しかし、この買収を承認したのは、ほかでもないFTCであり、フェイスブック側はFTCのスタンスが「悪しき修正主義」であり、不当な要求だと述べている。
フェイスブックの法務顧問のジェニファー・ニューステッドは、何年も前にゴーサインを出した買収の承認の「やり直し」を図ろうとするFTCは、「誤った形で反トラスト法を用いようとしている」と述べた。「これまで米国の反トラスト法執行機関がこのような訴訟を起こしたことはないが、それには正当な理由がある」と彼女は主張した。