Android
買収時期: 2005年買収金額: 5000万ドル
Googleの最も成功したM&Aと言われているのが、2005年のAndroidの買収。元Appleの社員によってスタートした創立2年ほどの小さなスタートアップを買収したことが、その後のスマホ市場におけるGoogleの運命を大きく動かした。
Androidは元々はデジカメ向けのOSを開発していたが、Googleが買収後、3年間を費やしモバイル向けのOS開発を進めた。iPhone発表の1年後の2008年に一般リリースを行った。現在は世界で最も利用されているOSになっている。
それを考慮すると5000万ドルはかなり破格の金額だろう。
YouTube
買収時期: 2006年買収金額: 16.5億ドル
当時はかなり狂ってると言われていたのが、YouTubeの買収。創立1.5年ほどの小さなビデオシェアリングサービスに対して16.5億ドルもの大金を叩いて獲得したのだから。
実際、後日GoogleはYouTube買収がかなり割高の金額であったことを認めている。そもそも、YouTubeにアップされている多くの動画は権利問題を抱えていたし、その他のヒットコンテンツは猫の動画ばかりであった。そしてビジネス的にも大赤字のサービス。
しかし、長期的にみるとビデオプラットフォームのニーズは高まる一方だと判断。加えて、自社で開発していたGoogle Videoが鳴かず飛ばずだったこともあり、同じ動画プラットホームとしてYouTubeを買収する判断は正しかったと言える。
現在YouTubeはもちろん動画プラットフォームとしてはダントツ。検索エンジンとしても世界で2番目に利用されている。2019年の同プラットフォームの売り上げは150億ドルに達している。
Postini
買収時期: 2007年買収金額: 約6.25億ドル
現在ではメールサービスの代表であるGmailが普及した理由の一つが、迷惑メールの仕分け精度の高さだろう。その仕組みの裏にはPostiniが開発したシステムが隠されていた。
それまでの無料メールサービスの多くは受信ボックスが迷惑メールで埋め尽くされており、ユーザーはうんざりしていた。そんな時期に「使えるメール」をキャッチコピーに掲げたGmailは後発だったが、かなり使えるサービスで一気にユーザーが増えた。
元々企業向けにメールやメッセージ系サービスのセキュリティやコンプライアンス保護の仕組みを提供していたPostiniのシステムをGmailに導入し、その精度を格段にアップさせたことも大きな要因。
当時はその買収額が高すぎるとの批判もあったが、結果的にはGmailが業界ダントツのメールサービスに成長し、その何倍もの価値を生み出している。
Waze
買収時期: 2013年買収金額: 約11億ドル
Googleによるこれまでの企業買収金額のTop5にランクインしているのがソーシャルマッピングアプリを提供しているWaze。Wazeは、シリコンバレーの本社と、イスラエルの開発拠点を通じてユーザーからのリアルタイム情報をもとに、交通情報とルート表示の仕組みを提供するサービスを提供。
Google Mapnに対してWazeのコンテンツを追加することにより、モバイルデバイスを中心に、ユーザー同士によるコンテンツによる交通情報のリアルタイム表示が可能になった。
また、UberやLyftなどのライドシェアサービスにも広く利用され、サービス向上に大きく貢献している。今後は自動運転技術との連動も期待されているサービスとなっている。