ビジネス

2020.12.28

一瞬のひらめき症候群はNG。アイデアをカタチにする4つの「コツ」

先に考えた人よりも、先に出した人がすごいのだ。/イラスト:shutterstock.com


じゃあどうやって革新的なビジネスを作るのか?


そんなことを言ったって、ヒットするサービスを作り出すには何かしらのアイデアは必要になってくる。そうでない場合でも少なくとも、既存のソリューションに対しての改善アイデアぐらいは持つべきだろう。

じゃあどうやってやるの?

という疑問が出てくる。一つの答えは、アイデアは突如天から降ってくるものではなく、アクションを起こし続ける過程で生まれるというということ。そのアクションは常に解決するべき課題に紐づいており、その課題がより明確に定義され、フォーカスがしっかりと定められていればいるほど良い。

方法1: 課題をできるだけクリアにする


以前の記事「ここがちゃうねんデザイン思考。5つの違いを理解してモヤモヤを解決 」でも “ソリューションやなくて、問題定義の方で差別化するねん” と記されているように、問題定義にフォーカスするには非常に大切。

解決するべき課題をしっかりと定義し、その範囲をしっかりと定める。そして、それに対しての共感を得ている必要がある。

例えば、まだ誰も発明していない特許を3つ考えてみよう。

おそらくかなり難しいと思う。では、座ったまま背筋を伸ばすエクササイズを3つ考案してみよう。

今回はずっと楽に思いつくと思う。なぜか?「特許を取得する」という課題定義があまりにも広範囲で、制約や定義がない。そして、特許を取ることに対しての共感と理解もまだまだ足りないだろう。このような一般的な問題の解決策を考えるのは非常に難しい。

一方で「椅子に座り続けて背中が痛い」という課題が明確に定義され、その当事者になった事があるので、新しいアイディアを思いつくのは格段に容易になる。

ここでわかるのは、必ずしもアイデア自体が革新的である必要はなく、それよりもより“具体的な課題がクリアに定義されている”方が正しいソリューションへの近道になるということだ。

方法2: 課題解決に利用できるテクノロジーを理解する


解決するべき課題がクリアに定義した後は、それを解決するのに利用できる「ツール」に関しての理解を進めること。ここでいうツールとは、テクノロジーのこと。そして、どれとどのテクノロジーをつなげると何ができるかをしっかりと勉強する。

明確に定義された問題を解決するためには、どのような技術が利用可能で、それぞれが何ができるのかを知る必要があある。

最近は誰でも多くのメディアから情報を得ることができるので、テクノロジーを理解することはそれほど難しくはない。

もっと重要なのは、複数のテクノロジーをどのようにつなぎ合わせて、ソリューションを編み出していくかという部分。それはまるで複数あるLEGOブロックのどれを使ってどのような家を作り上げるかに似ている。この辺はイーロン・マスクが最も秀でている能力の一つだろう。

方法3: 課題に向き合いつつも必要に応じてピボットする


アイデアは生き物である。そう、一つのアイデアを思いついたらそれを成長させ、必要に応じて方向転換させる必要がある。なぜなら世の中もユーザーも生き物であるから。そして、一つのアイデアからは10も20も異なるサービスの形を生み出すことができることを知っておこう。

そもそも「アイデアがある」と思っても、それだけで課題の解決策になることは非常に珍しい。

アイデアは旅の始まりに過ぎない。旅が続けばどんどんアイディアは具体化されている。その結果、進化していき、最終的なソリューションにたどり着く。
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文=Brandon K. Hill(CEO of btrax inc.)

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