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2020.12.28 14:30

一瞬のひらめき症候群はNG。アイデアをカタチにする4つの「コツ」

先に考えた人よりも、先に出した人がすごいのだ。/イラスト:shutterstock.com

先に考えた人よりも、先に出した人がすごいのだ。/イラスト:shutterstock.com

「めっちゃ良いアイディアだね。今までにも同じようなの5回ぐらい聞いたことあるけど」。

先日行われた起業家向けのメンタリングセッションで伝えた一言。画期的なアイディアだと思っても、すでに他の人も同じようなことを考えているケースは少なくない。

こんな感じで新規事業を考える際のアイディア出しに関してのアドバイスを聞かれることが多い。

特に、デザインスプリントなどのワークショップなどでは短時間に複数のアイデア出しをしなければならないので、行き詰まった際の打開策を知りたいという声も少なくない。

しかし、ぶっちゃけアイデア自体はあまり重要ではない。ヒットを生み出すにはアイデアよりも、もっと重要ないくつかのポイントがあるので紹介したい。

人気サービスの共通点


では、どのようなポイントがアイデアよりも重要になってくるのだろうか?現在世の中で多くのユーザーに利用されているサービスが作られてプロセスにはいくつかの共通点がある。

1. 解決しようとしている課題がクリアになっている
2. 課題解決に利用できるテクノロジーを理解している
3. 課題に向き合いつつも必要に応じてピボットする勇気がある
4. とりあえずリリースして徐々にクオリティーを高めていく

アイデア一発で成功できるほど甘くない


誰もが知りたがる「これから来そうなアイデア」自体には実はあまり大きな価値はない。一方で、短期間で急成長し成功しているスタートアップを外側から見ると、どうしてもアイデアが重要に思いがちになってしまうのも事実。

しかし、実際現場を見てみると「一夜にして成功」しているような会社でも、実はかなり長い時間をかけて試行錯誤している事がわかる。

その証拠にAirbnbのファウンダーの一人は起業家に対して下記のようにアドバイスをしている。

“ ─── 現在は順風満帆に思われる私たちですが、それまではすごく長い道のりでした。これから起業する人や今起業している人にアドバイスしたいのは、起業してビジネスをするというのはマラソンのようなものだということです。一定のペースを保ち、長い目でゴールを見る。短期決戦というわけにはなかなかいきません。短いスパンで何かうまく行ったと思っても、続かないのです。逆に最初はうまく行かないと思っても、長期的なスパンで考えればその先に成功があるかもしれません。起業を短期的に捉えるのではなく自分たちのペースでやっていく、ということが大事だと思います─── ”

「一瞬のひらめき症候群」が後を絶たない


それでもどうしても多くの人は稲妻に打たれたような、“一瞬のひらめき”を追い求めてしまいがちだ。

ニュートンがリンゴの木の下で万有引力を発見したり、お風呂に入っている時、水が湯船からあふれるのを見てアルキメデスの原理が発見された瞬間だったりを。

このようなストーリーは魅力的に感じてしまうだろう。でも、実際そんなことはほとんど起きない。闇雲に道を歩けばアイディアに当たるなんてことはない。

そもそも、自分では考えもしなかったような課題に対してのアイディアをある日突如ひらめくことはありえない。逆に、一つの問題を解決しようと日々努力している人こそが、解決策にたどり着く。

この点においては、エジソンが最適なフィラメント素材にたどり着くまで2000個の素材を試した事例が参考になる。

また、アインシュタインは問題解決のヒントを下記のように発言している。

“ ─── もし問題を解くために1時間あったとしたら、おそらく最初の55分は何が問題であるかを見つけ出すことに充て、残りの5分で答えを導き出すであろう─── ”

そう、彼も完全にソリューションよりも課題にフォーカスを当てることをお勧めしている。
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文=Brandon K. Hill(CEO of btrax inc.)

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