今冬、ダニエル・クレイグ主演による最後の「007」が公開される。タフでお洒落なジェームズ・ボンドは酒にも強く、シェイクしたマティーニとシャンパーニュがお気に入り。いままでの24作品中でも多くのシャンパーニュを作中に登場させてきた。
なかでも有名なのは2作目である『007ロシアより愛をこめて』のワンシーン。例によって美女と列車での道中、食堂車にてボンドは「ヒラメのグリルとブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%のシャンパーニュ)」をオーダーする。席を同じくする悪漢は「同じくヒラメにキャンティを」と注文し、のちにその悪漢に襲われるボンドは「魚に赤ワインを合わせたときに(お前が敵だと)気づかないとはうかつだった」とひとりごつのだが、そのときボンドが飲んでいたのがこの「コント・ド・シャンパーニュ」。ボンドが愛したテタンジェのシャンパーニュのなかで最上位に位置するプレスティージの高い一本だ。
「コント・ド・シャンパーニュ」とは「シャンパーニュ伯爵」を意味し、シャルドネ品種の祖となるブドウの苗木を持ち帰ったといわれるシャンパーニュ伯爵ティボー4世に敬意を表して名付けられた。グラン・クリュ(特級畑)で最高品質のブドウが収穫された年のみつくられ、繊細な一番搾りのキュヴェだけを使用するため、生産本数は少ないレアなシャンパーニュだ。
「まず口に含むとなめらかなテクスチュアに驚かされます。洗練された果実感がありながらしっかりとしたボディがあるから、料理に合わせやすいシャンパーニュです」と語ってくれたのはキャビアバー「17℃」(東京・銀座)の釜谷孝義シェフだ。
「一般にシャンパーニュとキャビアは相性がよいといわれていますが、塩分の高い海外産キャビアはシャンパーニュにより生臭さを増す場合があります。そのためにサワークリームなどを添えて、臭みをカバーしているわけです。その点、国産でフレッシュな『瀬戸内キャビア』はよりピュアに魚卵の味を味わえることから、繊細なシャンパーニュとのマリアージュをそのまま堪能いただけるはずです」
香川の豊かな自然で育まれ、ごく控えめな塩味を添えただけの「瀬戸内キャビア」を味わうには、「コント・ド・シャンパーニュ」が最高のパートナーというわけだろう。「コント・ド・シャンパーニュ」と生キャビアとは、さすがのボンドも味わったことのない、究極の贅沢な時間に違いない。
COMTES DE CHAMPAGNE
Blanc de Blancs 2007
容 量|750ml
品 種|シャルドネ100%
価 格|23008円(税別参考小売価格)
問い合わせ|サッポロビール(www.sapporobeer.jp)