イスラエル首相が「国内初のワクチン接種」宣言、国民の手本に

イスラエルのネタニヤフ首相(Photo by Alex Wong/Getty Images)

12月9日、テルアビブのベン・グリオン空港に、ファイザー社とバイオンテック社が共同開発した新型コロナウイルスのワクチンの初回出荷分が到着した。イスラエルのネタニヤフ首相はワクチンの到着を歓迎し、自身がイスラエルで初めてワクチンを摂取する人物になると宣言した。

ワクチンはまだイスラエル政府の承認を得ていないが、ネタニヤフは「今後の数日間で適切な許可が出ることを期待している」と述べた。彼は、自身がイスラエル市民の模範になるために、米国の当局の承認が下り次第、このワクチンを接種したいと述べた。

「私はこのワクチンを信じている。何百万人ものイスラエル人が接種することを期待している」と彼は話した。

ジョンズ・ホプキンス大学のデータで、イスラエルではパンデミックが始まって以来、約35万人の感染者が確認され、約3000人が死亡した。イスラエルはこれまで2回、国家レベルのロックダウンを行ったが、3回目の実施に踏み切る可能性もある。

ワクチンの広範囲な接種に向けては、輸送面などの課題もあるが、最大のハードルは国民の信頼を得ることだ。多くの人が前例のないスピードで開発されたワクチンの安全性に疑問をいだき、それを受けることを躊躇している。ネタニヤフは自身が率先して接種することで、国民の不安を払拭しようとしている。

英国のボリス・ジョンソン首相や米国のジョー・バイデン次期大統領、オバマ元大統領、ブッシュ元大統領、クリントン元大統領など、他の世界の指導者たちも同様の動きを見せている。

イスラエルは、400万人分の接種量を確保するために、800万回分のワクチンをファイザーとバイオンテックに発注した。

編集=上田裕資

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