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米国政府が、今後の数カ月間で新型コロナウイルスのワクチンの広範囲な提供を目指している中で、一気に需要が高まりつつあるのがドライアイスだ。ワクチンの輸送においては、超低温を保つことが必須とされており、そのことが新たな懸念材料になりつつある。

ジョー・バイデン次期大統領は12月8日、来年1月20日の就任から100日間でワクチン1億回分の提供を目指すと表明した。

製薬会社のファイザーは、このワクチンの緊急承認を間もなくFDA(食品医薬品局)から得られる見通しだが、同社のワクチンは摂氏マイナス70度以下に保つ必要があり、輸送の全ての過程でドライアイスが必要になる。

ミネソタ州のティム・ワルツ知事は、8日の記者会見で、州はワクチンの流通に起因するドライアイスの不足に備えていると述べ、州の主要な輸出品の一つであるチーズの出荷に問題が生じる可能性があると話した。

マサチューセッツ州のアメリカン・ドライアイス社を共同経営するダニエル・コーナーは、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材に「ワクチン向けの供給を優先するために、調整を行う必要がある」と述べた。テキサス州のリライアント・ドライアイス社のバディ・コレンも、「広範囲のワクチンの流通を整備する場合、業務は逼迫する」と述べた。

「ミネソタ州やウィスコンシン州において特に懸念されることの一つは、ドライアイスがチーズの輸送に幅広く使用されていることだ」と、ミネソタ州のワルツ知事は話した。WSJによると、ウィスコンシン州のチーズ製造者協会は、毎週35万ポンド分のドライアイスを業界向けに確保するよう要請を出したという。

ファイザー社のワクチンは、他の製薬会社のワクチンと比較して、例外的に極めて低い温度での保管が要求される。同社のワクチンの提供は8日に英国で開始されたが、米国ではFDAの緊急認可を待っている段階だ。

WSJによると、ファイザーは2021年に世界で13億回分のワクチンを提供すると予測されている。

編集=上田裕資

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