テクノロジー

2020.12.09 06:00

中国の月探査機が帰還へ、44年ぶりに「月の石」を持ち帰り

中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)5号」(Photo credit should read Costfoto/Barcroft Media via Getty Images)

中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)5号」(Photo credit should read Costfoto/Barcroft Media via Getty Images)

中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)5号」が12月6日、月面で採取した土壌などのサンプルを地球への帰還機に格納した。中国の神話に登場する月の女神の名を持つこの探査機は、44年ぶりに月の石を地球に持ち帰ろうとしている。

月面でサンプルを収集した嫦娥5号の着陸船は、月の軌道で待機していた帰還機と合体して試料を受け渡した。全てが順調に進めば、宇宙船は12月16日か17日に内モンゴル自治区に着地する予定だ。

嫦娥5号は12月1日に月の「嵐の大洋」の北西の端に軟着陸した。中国国家航天局の発表によると、着陸機は約19時間をかけて月面をドリルで掘り、ロボットアームによって複数の地点のサンプルを採取したという。

嫦娥5号は最大で2キロのペイロードを登載可能という。中国の研究者らは、回収されたサンプルが、月の最新の火山活動の理解を深めるのに役立つことを期待している。着陸地点はクレーターの数が少ないことから、約12億1000万年前に形成された溶岩の土壌だと推定されている。これに対し、かつてアポロが持ち帰ったサンプルは、31億年から44億年前の土壌のものだった。

今回の帰還が成功すれば、中国は月からサンプルを回収した3番目の国となる。ロシアの自動探査機が最初のサンプルを採取したのは1966年のことだった。そして、米国のアポロ計画は1969年から1972年にかけて、6回の着陸を成功させ、米国の宇宙飛行士は合計382キロの月面の岩石を採取していた。

編集=上田裕資

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