FCCは合計180社の民間企業に補助金を与え、米国のインターネット環境を整備しようとしている。スペースXが獲得した補助金の額はLTD BroadbandやCharter Communications、Rural Electric Cooperative Consortiumらに続いて4位で、これらの企業の中では同社が唯一の衛星オペレーターだ。
FCCによると、この資金によってスペースXのスターリンクプロジェクトは、全米35州の約64万カ所にリーチ可能になるという。一方で、スペースX以外で唯一、補助金を獲得した衛星企業のメリーランド州のHughes Network Systemsは、130万ドルを与えられ、1つの州の約3700カ所にリーチする。
スターリンクのサービスはまだ黎明期にあり、今年夏に約900基の衛星を用いたベータ版を開始したばかりだが、同社は将来的に4万2000基の衛星を用いたサービスを実現するという野心的プランを描いている。
米国の地方部でブロードバンドが未整備であることは、特にパンデミックを受けて懸念されるようになった。仕事や学校の活動のオンライン化が進む一方で、米国の農村部で高速ブロードバンドにアクセスできるのは、人口の77%にすぎないとのデータもある。
衛星インターネット分野には複数の民間企業が進出しており、アマゾンも衛星インターネットプログラム「プロジェクト・カイパー」の展開に向けて動いている。