コロナ禍一色の2020年売れたものランキングに食い込んだのは、やはり鬼滅

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インテージが、全国約4000店舗より収集している小売店販売データ、SRI®(全国小売店パネル調査)をもとに今年、日用消費財の中で何がより売れたかを、推定販売金額の伸びから振り返る「2020年、今年売れたものランキング」を発表した。
(データは10月分まで使用)


1位・マスクは425%。2位・殺菌消毒剤302%も。手指消毒剤に限れば9倍超


2018年までは体にいいと言われる食品、飲料が上位に多く入り、昨年はタピオカ人気にけん引されデザートドリンクが1位となった「売れたものランキング」。しかし今年は新型コロナの影響で、人々の生活同様に売れたものも大きく様変わりした。

●2020年の金額前年比ランキング




1位となったのはマスク。販売金額は前年比425%となった。一時期、品不足が大きな社会問題になり、テレビなどでも連日放送されていただけに、さらに大きな数字になる雰囲気もあったが、2月~4月まで欠品が続いたことや、例年もインフルエンザ予防や花粉症対策として一定の需要があり、ここ10年ほど市場拡大が続いていたことなどで、4倍超の水準となった。今や街中ではマスクをしていない人の方が少ないことを考えると、まさに今年を象徴するカテゴリーとなった。

2位は殺菌消毒剤で302%。こちらも大きな伸びを記録した。ただ傷口の消毒などを除いた手指消毒剤に限定すると、さらに数字は跳ね上がり驚異の910%になる。個人で持ち歩いたり、公共施設やレストラン、スーパーなどの入り口に置いてあるなど、コロナ前とは比較にならないほど使用頻度も増え、新しい生活様式には欠かせないものとなっている。購入者のうち、約9割が前年に購入のない新規購入者というデータもある。今までより、はるかに多くの人が手に取るようになり、販売金額も9倍超となった手指消毒剤は、大きな市場を確立したと言えるだろう。

ちなみに2019年まではSCI®(全国消費者パネル)での集計だったため一概には比べられないが、昨年1位のデザートドリンクが131%、一昨年1位のサバ缶が151%だったことを考えると、これらのカテゴリーが、いかに急激な伸びだったかが分かる。

●過去3年の金額前年比ランキング





3位は体温計。4位・うがい薬、5位・ぬれティッシュ、7位・せっけんと衛生用品が続く


3位は体温計で249%。新型コロナの主な症状として発熱があげられることもあり、こちらも需要が殺到して一時品薄状態が続いた。また施設の入り口などでの検温でもよく使われる、非接触型のニーズが増えたことも特徴だ。

4位・うがい薬(220%)、5位・ぬれティッシュ(179%)、7位・せっけん(143%)と、衛生用品が続いたのも特徴的で、この伸び率は例年なら1位を取れるほど大きなものだった。コロナの予防には3密を避けるとともに、手洗い・うがいが有効と言われているが、それを積極的に行っている人が多いことが購買データからもうかがえた。

●日用雑貨上位カテゴリーの金額前年比の推移




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PR TIMESより

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