スペースXの衛星インターネットが、僻地の遠隔医療を改革する

Joe Burbank/Orlando Sentinel/Tribune News Service via Getty Images


この問題を解決に導きうるひとつの方法が遠隔医療の進歩だと、専門家は明言してきた。距離や所在地を気にせずに、効率的かつ安全に医療を提供できるデジタルプラットフォームなら、必要な医療を受けられずにいる人々にアクセスできる解決策となりうる。

この技術を試す最大の機会となったのが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックだ。感染拡大によって外出禁止令が出され、社会的距離の確保が呼びかけられた今年、医療システムや患者は、必要な医療アクセスのために、遠隔医療に頼らざるを得ないことが多かった。

言うまでもないが、遠隔医療サービスが広がりを見せるなかでは、否応なしに生じるであろう多くの問題に、規制当局や医療関係者、イノベーターが注意深く目を光らせる必要がある。

しかし、遠隔医療が抱える問題を適切な監視団体が解決できさえすれば、この技術が力を発揮する可能性は大いにある。

市場もこの技術を積極的に受け入れている。2020年だけでも、遠隔医療サービス企業には利用が殺到し、巨大な市場シェアを獲得した。それどころか、遠隔医療市場は年平均成長率(CAGR)が25.2%に達する構えを見せ、2027年には市場評価額が5595億ドルに迫る勢いであることが、調査で示されている。

ところが、遠隔医療の足を引っ張っているものがある。最も重要な阻害要因のひとつがネットワーク接続だ。地方における医療態勢の不備を招く要因は「遠隔地であること」だが、それと同様に、そうした地域では高速インターネットを安定して利用できないことが多い。安定した高速インターネットこそ、遠隔医療のアプリケーションやプラットフォームを確実に利用できるようにするために欠かせないものだ。

この領域こそ、スターリンクがゲームチェンジャーとなりうるところだ。スターリンクが人里離れた地方に高速ブロードバンドインターネットを提供できれば、十分な医療サービスが届かないコミュニティへのアクセス向上における難問解決に、また一歩近づけるかもしれない。

さらに、このテクノロジーの使い途はエンドレスだ。米国における地方医療のパラダイムをはるかに超えるものになるだろう。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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