ビジネス

2021.01.03

2021年に上場期待の米フィンテック企業、「AvidXchange」と「Flywire」

Getty Images

パンデミック後に、より多くの人々や企業がオンライン決済を導入したことで、フィンテック企業は恩恵を受けている。2021年はロビンフッドやAffirm、Marqetaなどの企業がIPOを実施する見通しだが、関係筋によるとさらに2つのフィンテックのユニコーンが上場を計画中という。

法人向けに買掛金や請求書の管理ソリューションを提供する「AvidXchange」と、企業のグローバル決済を支援する「Flywire」だ。

AvidXchangeは、2000年に連続起業家のマイケル・プレガーが共同設立したノースカロライナ州シャーロット本拠の企業で、主に中堅企業を対象に、請求書管理の自動化ソリューションを提供している。ブレガーによると同社は昨年、7年連続で平均 40%の成長を記録しており、今年の年商は2億ドル(約208億円)を突破する見通しという。

同社の競合企業の1つは、中小企業が請求書をオンラインで支払うことを可能にするBill.comだが、同社の株価は今年150%上昇し、時価総額は90億ドルを突破した。AvidXchangeが株式公開を行った場合、Bill.comと並ぶ評価を受ける可能性がある。Avidの直近の調達ラウンドでの評価額は16億5000万ドルとされていた。

一方で、ボストンに拠点を置くフィンテック企業Flywireは、2009年にスペインの起業家のIker Marcaideが設立した企業だ。同社のソフトウェアは世界の150通貨での決済に対応しており、顧客にはコーネル大学やヒルトン、セグウェイなどが含まれている。

Flywireは年間100億ドル以上の支払いを処理しており、今年の売上は1億ドルを突破する見通しという。同社はここ数年、年率40%から60%の成長を続けている。同社のCEOのMike Massaroは、上場についての具体的プランを明かしていないが、同社の「重要な選択肢の一つ」であることを認めた。

彼は、Flywireが伝統的なIPOによる上場を望むのか、それともSPAC(特別買収目的会社)との合併による上場を計画しているのかについては回答を避けた。しかし、「SPACは、迅速に株式を公開したい企業に適している」と述べた。

SPACを用いた上場については、様々な見方があがっている。あるベンチャーキャピタリストは、彼の投資先は従来のIPOとダイレクトリスティング(直接上場)しか検討していないと述べた。

一方で、ベイン・キャピタルのパートナーのマット・ハリスは、「この6ヶ月間で、SPACのメリットについて人々の考えが変わり始めた」と述べている。「以前は、SPACを用いた上場はコストが高かったが、ここ最近は伝統的なIPOとほぼ同等の費用で実行可能になった」と彼は話した。

編集=上田裕資

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