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本来、何かに夢中になっている人は、男女問わず輝いていて魅力的だ。だが、彼の美容好きは、夢中になっているというより、「何がなんでも美容が好き」と意地を張っているようにも映る。「設定」を守ろうとするあまり、本来魅力的に見えるはずの美容が“好き”という熱量が伝わってこなかった。結果的に、せっかく美容感度の高い萌子も取り込むことはできなかった。

おそらく瀬戸口もまた、藤井のように他者からの見え方に気を取られていたからではないだろうか。美容という女性との親和性が高い武器を持ちながらも、自分のキャラの確立に注力するあまり、その武器をうまく使いこなせなかった。

ほかの男性参加者も個性豊かで、萌子とのやり取りでは我々視聴者に考えさせるきっかけを与えてくれた。

なかでも最後まで残った画家の杉田陽平や実業家の黄皓は、自分のことをよく理解し、心を開き、相手のメリットを考えて立ち振る舞えていた。そして、ここぞという時に気持ちを言葉にして伝えていた。萌子が望む、“自信を持たせてくれる愛”を与えていた。そこが前出の3名との大きな違いかもしれない。

「逆玉狙い系」か、「王子さま系」か?


最後に、そもそもの男性陣のキャスティングは正解だったのか? についても思いが至る。なぜなら、ここでは明かさない「衝撃のエンディング」が訪れてしまった理由は、そもそも「17人の男性選び」にもあるかもしれないからだ。

冒頭でも述べたようにこのショーのプロデューサーはおそらく、バチェロレッテ選び以上に、彼女を競い合う男性たちのキャスティングに頭を悩ませたはずだ。すなわち、「セレブ落としを目指す『逆玉狙い系』」か、「自身のスペックそのものが高い『王子さま系」」か、である。どの男性陣もバチェロレッテにフィットしていないように映ったのは、その難問が「ブレ」となって出たためかもしれない。

もちろん、男性のキャスティングはそもそも、バチェロレッテのキャラクターが軸にされているに違いない。

「バチェラー」の場合、建てつけはいわゆる「王子さまと玉の輿狙いの女性たち」でよかった。だが「反転バチェラー」を、たとえば「ただひたすら守られたい系の女性と筋肉隆々の男性たち」の建てつけで行くなら、あまりに前時代的価値観すぎて女性視聴者の獲得が難しかっただろう。あえてそこをズラし、「かっこいい」系の萌子をバチェロレッテにしたことで、彼女を争わせる男性のキャスティング条件が複雑になり、「逆玉狙い系」でも「王子さま系」のいずれでもツジツマが合わなくなってしまった。そんな面もあるかもしれない。

「シーズン1」での学びが、「シーズン2」のバチェロレッテ役はむろん、(そこに合わせた)男性陣のキャスティングにどう生かされるか。今から非常に楽しみではある。



藤田佳奈美◎フリーランスの編集者、ライター、ディレクター。NTTドコモの女性向けサイト編集長や出版社のWEBディレクターとして、メディア運営からコンテンツ制作、イベント企画、SNS施策、分析を担当。主な寄稿先はマガジンハウス、パーソルキャリア、朝日新聞、明治安田生命等。広告会社でメディア戦略も。Twitterアカウントは@yakou_chuu_

文=藤田佳奈美 編集=石井節子

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