時代を読む、東京ホテルストーリー vol.5「グランド ハイアット 東京」

最上21階に位置する260㎡のプレジデンシャル スイート。リビング、ワークスペース、ダイニング、キッチン、室内坪庭、プライベートプールも設置。


さらに初めての経験だったのは、すべての客室で清掃が終わり、消毒が済み、ゲストを迎え入れるために準備できた部屋には、入り口のドアと壁を繋ぐ消毒済案内シールとして独自の“ヴァージンシール”が貼られ、ドアを開ければそれが破れる(又は剥がれる)ようになっていたこと。

他にも雑誌の撤去や消毒スプレーの設置など可能な限りの対策は当然だ。今のコロナ禍に於いて、こうしたホテルの繊細な対応にホッと肩の力が抜け、休息の場である自室でのびのびと過ごすことができたのである。

手際のいいバレットサービスと、“食のホテル”に相応しい充実度


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シックな大人の空間「オーク ドア」は、アウトドアのテラス席も含めてリピーターで賑わう。上質な旬の食材を使うグリル料理はオーク ドアバーガーや、ブランチセットなど上質ながらカジュアルな食事に対応。

久しぶりに訪れた「グランド ハイアット 東京」には、車を扱う裏のエントランスから入館した。そこに繰り広げられたバレットサービスの手際の良さと、的確な連係プレーをこなすスタッフに、まずは驚かされた。

即時の判断、ゲストへの所作や言葉遣いなど、人を迎える緊張感も感じられ、これもまた時の積み重ねがなせる余裕の業なのかと感心していた。そういえばこのホテルには、かつて名コンシエルジュで知られたレ・クレドールインターナショナルのメンバーがいて、今もその意志を継ぐ優秀なコンシエルジュが活躍している。

エントランスからレセプションへと、ホテルで最初に受ける濃やかなサービスは、ホテルサービスの要である。「素晴らしいコンシエルジュがいるホテルこそ、素晴らしいホテル」とは、本場ヨーロッパで言われるサービスのセオリーだ。

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「オーク ドア」の人気定番料理、新鮮な帆立「岩手県産帆立貝のロースト ハーブバター」(3100円)。

PR&マーケティングの責任者に、現在のホテル、これからのホテルのことを尋ねた。「常に何かを発信していきたい、ここに来れば何か新しい発見があるように」と語った。常に守りに入らず、攻めるパワフルな姿勢がホテル全体に感じられる。たとえば、食に関しても同様に、「常に新しい挑戦に磨きをかけている」というのだ。館内10か所を数えるレストランとバーは、オープン以来、いずれも好評のままにリピーターゲストが足を運ぶ。

気軽に楽しめライブ感が人気の「フレンチ キッチン」、革新的な鉄板焼「けやき坂」、ステーキハウス「オーク ドア」は不動の人気のままにある。そして、2020年の冬は、幾つものレストランが特別メニューを提供すると言う。

免疫力アップ、身体の内側から健康にと、「チャイナルーム」では漢方和牛の薬膳火鍋、「けやき坂」ではパワーベジタブル長命草とけやき坂ビーフの蒸し焼き、「フィオレンティーナ」では塩糀コースなどなど、いずれも楽しみなメニューを揃え、今年も冬を迎える。

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全8室のスパのトリートメントルーム。20㎡を越すデラックスプライベートルームが4部屋、内一部屋は写真のジャグジー付きスイートルーム34㎡。

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Nagomi スパ アンド フィットネスのプール。

健康的な食事に、ゴッドハンドのトリートメントに癒されるスパ「Nagomi スパ アンド フィットネス」。都会のホテルらしさを満喫しながら、スパで和む贅沢な時間も、時には自分たちへのご褒美として、思い切り深呼吸のできる都会の贅沢なホテルで、信頼のできる人と寛ぐなんて最高である。

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コンテンポラリーデザインに、モダンなインテリアが調和するグランドキング(42㎡)の客室。一人泊まり、ビジネスユースなどに好評の部屋タイプ。

グランド ハイアット 東京
東京都港区六本木6‐10‐3
https://tokyo.grand.hyatt.com/ja/hotel/home.html

文=せきねきょうこ

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